広告以外は?
コミュニケーションサービス(LINEスタンプ、LINE Out)の売上は81億円と前年同期比5%増、その他事業(LINE FRIENDS、LINEバイト、LINE Pay、LINEモバイル)は規模は小さいものの、売上は39億円で同89.5%増と好調だった。特にLINE Pay、LINEモバイルが好調で、先日の株主総会でも、この2サービスは注力分野であると明言している。
ただし、コンテンツ事業(LINE GAME、LINEマンガ、LINE MUSICなど)にはかげりも見える。LINEマンガ、LINE MUSICは決済高が堅調に推移しているものの、LINE GAMEは今後の課題となっている。
同社は多数のヒットタイトルを有しているが、ゲームは時間とともいずれ飽きられてしまう難しい分野。ゲーム業界の現状として人気タイトルが固定化される傾向にあり、新規タイトルで勝負する難しさも出澤社長は指摘する。今後は自社IP、他社IPを有効活用することで収益増大に向けた取り組みを進めていくという。
なお、中長期的に期待するのはAI関連のビジネスだ。LINEは今年2月末にクラウドAIプラットフォーム「Clova」を発表、それを活用する音声認識デバイスを今夏に発売するとアナウンスした。出澤氏は「世の中のすべてのハードウェアがネットにつなり、音声で操作する時代がくると思っている」としており、大きなビジネスになると予測する。
LINEは、ゲーム事業に課題を抱えつつも、広告事業、その他事業などにおいて成長の余地を残している。目下の注力エリアが日本、台湾、タイ、インドネシアを主要4カ国という限定された範囲での話にはなるものの、AIプラットフォームという中長期的なビジネスへの布石も打ち始めており、未知数な部分が多い企業だと言えるだろう。