アウディで最も若い客層を狙う
「ターゲットはアウディユーザーの中で最も若い年齢層だ」。斎藤社長はQ2で開拓したい客層をこう語る。想定しているのは、30代から40代前半の独身、カップル、ヤングファミリーといった顧客。自身が選択するものに強いこだわりを持ち、情報感度が高く、クリエイティブな思考・ライフスタイルを追求する人たちに選んでもらいたいそうだ。
30~40代と聞くと「若年層の開拓」という言葉と少し矛盾する感じもするが、アウディの既存ユーザーは40~50代が中心らしいので、Q2はやはり顧客層の若返りを狙ったクルマだといえる。メルセデス・ベンツが先日マイナーチェンジしたコンパクトSUV「GLA」も若者向けをアピールしていたが、プレミアムブランドにとっては、顧客の平均年齢を引き下げ、将来のビジネスの基盤を構築することが急務となっているようだ。Q2は30~40代の顧客に「アウディのブランドを浸透させるというミッション」(斎藤社長)を背負っている。
新たな量販車種に育つ可能性も
Q2はアウディの新たな量販車種に育つ可能性も秘めている。同社で最も売れている「A3」と同等の価格帯であり、A3ではカバーできていないSUV市場に訴求できるクルマだからだ。斎藤社長は2017年のQ2の販売台数を2500台と見積もっていたが、これは発売日である6月中旬から半年間の数字で、1年間をフルに販売できる来年はうまくすれば倍増するかもしれない。
Q2の購入者としては、半分弱はアウディからの代替で、残りの6割くらいは他社からの乗り換えを想定している。他社から乗り換える6割のうち、3分の2くらいは国産者ユーザーの流入になるというのが斎藤社長の見立てだ。
アウディというブランドで、価格設定も戦略的。そして流行のSUVとくれば売れそうな気もするのだが、当然ながら、コンパクトSUV市場の競争は熾烈だ。購入を検討する人は競合車の存在も気になるだろう。