アウディジャパンはコンパクトSUVの新型車「Q2」を2017年6月に発売する。これまでのアウディとは路線が異なるデザインや299万円からの価格設定など、明らかに若年層の開拓を意識した戦略的なクルマだ。そして、実際に売れそうな気がするクルマでもある。
あえて遊びの要素を入れたデザイン
「Q」から始まるアウディのSUVシリーズに新顔が登場した。Q2は全長4200mm、全高1530mm、全幅1795mmの小型SUV。立体駐車場も使えるので、都会暮らしには嬉しいサイズ感だ。排気量は1.0リッターと1.4リッターの2種類を用意。新車発表会に登壇したアウディジャパンの斎藤徹社長によると、販売のメインは1.0リッターモデルになる見込みだ。
直噴システムと過給器を装着したガソリンエンジン(TFSI)は、実際の排気量以上の動力性能を発揮するという。Q2はライバル車に比べ200キロの軽量化に成功しており、走りは軽快で燃費も良いと斎藤社長はアピールした。
注目すべきは「ポリゴン」をテーマとするデザインだ。斎藤社長によれば、アウディは機能美を徹底的に追求し、シンプルながら隙のないデザインを特徴とするが、Q2には、あえて遊びの要素を入れ込んでいるという。
特徴はスクエアでエッジの効いたボディデザイン。正面から見ると、大きな八角形のシングルフレームグリルが目を引く。アウディのグリルは、車種が違っても似たような感じだと指摘されることもあるそうだが、Q2のグリルは同社で初採用となるデザインだ。
299万円から買えるアウディのSUV
もう1つの注目ポイントは299万円から405万円という価格設定だろう。もちろんオプションの内容によって変動するのだが、アウディブランドで、流行のSUVを税込み299万円から買えるというのは、やはりインパクトがある。
Q2のグローバルコンセプトは「#untaggable」。タグ付けできない、1つのイメージではくくれない、といったような意味だが、これを日本市場では「#型破る」という造語で表現する。価格設定もデザインも確かに“型破り”なアウディの新型車。このクルマが背負う使命を斎藤社長の言葉から探った。