ZenFone ARはAR技術のTangoだけでなく、VR技術のDaydreamにも対応しています。Daydreamは「Cardboard」に続くGoogleのスマートフォン向けVR規格で、認定する端末を限定し、またモーションコントローラーが付属するVRヘッドセット「Daydream View」をGoogle自身が用意することで、よりリッチなVR体験が可能となっています。

GoogleのVRヘッドセット「Daydream View」79ドル(※米国正規取扱店のネット通販価格)

Daydream Viewにはモーションコントローラーが付属します

ZenFone ARからDaydreamのホーム画面を起動し、Google Playで「すべてのアプリ」を選択すると43本、「すべてのゲーム」を選択すると64本が表示されます(4月20日時点)。とはいってもすべてDaydream専用ではなく、Cardboard向け、サムスンのVRヘッドセット「Gear VR」向けVRコンテンツの移植作も多く含まれています。

ZenFone ARでDaydreamのホーム画面を起動すると、現時点では画面中央のタイルにはなにも表示されません

ZenFone ARからDaydreamのGoogle Playで「すべてのアプリ」を選択すると、43本のアプリが表示されました

今度は「すべてのゲーム」を選択すると、64本のゲームが表示されました

Lucid Sight,Inc.「PolyRunner VR」は障害物をひたすら避けて、飛行距離を競うフライトアクションゲーム。モーションコントローラーを横持ちして操作します

Viewpoint Games「VR Karts:Sprint」はゴーカートスタイルのレースゲーム。こちらもモーションコントローラーを横持ちして、アイテムを駆使しながらトップを競います

3DiVi Company「The Lost Future」はガトリング砲をひたすら連射するシューティングゲーム。さまざまな方角から攻め寄せるゾンビ軍団を蹴散らす爽快なゲームです

3D Scenica Diseno Aplicaciones Audiovisuales「Sky Fighter: Training day」は、スーツを装着して飛行しつつ、障害物を避けて、敵機を撃墜する一人称視点のフライトアクションゲームです。上下左右の方向操作は頭の傾きで操作して、射撃やスピードコントロールなどをモーションコントローラーで行ないます

DaydreamのVR体験はGOOD! VRヘッドセット装着感も良好

Daydream ViewでのVR体験はCardboardより断然快適です。モーションコントローラーはハンドトラッキングされず、つねに自分の右脇に位置されますが、Daydreamのホーム画面などでモーションコントローラーから伸びる光の線で直感的にボタン類を操作可能です。またゲーム中でもモーションコントローラーがハンドルになったり、操縦桿になったりと操作が単純明快。頭の傾き操作と組み合わせれば、Cardboard単体よりも複雑な操作が可能になります。

VRヘッドセット本体の装着感も良好ですね。スポンジにメッシュ状の布をかぶせたクッションは刺激が少ないので、VRヘッドセットを長時間装着していても負担を感じません。頭頂部側のバンドがないためVRヘッドセットが前方にずれやすいですが、バンドのうしろ側を少し上にずらすとしっかりと固定できます。

現時点でDaydream Viewの日本発売についてGoogleから発表されていませんが、2016年12月1日にGoogleの日本法人が日本の記者向けに披露していますし、ASUS JAPANがZenFone ARをTangoとDaydreamに両対応した端末として発表しているのですから、ZenFone ARとDaydream Viewがほぼ同時期に日本国内でも発売されるのは間違いないでしょう。

Daydreamに対応した端末はGoogle「Pixel」、ZTE「Axon 7」、モトローラ「Moto Z」、ファーウェイ「Mate 9 Pro」など多くありますが、それに加えてTangoにも対応した端末は現時点でZenFone ARが唯一無二の存在です。ARとVRの両方を一台で存分に楽しみたいという欲張りな方にはほかに選択肢はありません。