自動バックアップ機能の流れ
おとりファイルの変更でもふれたが、ランサムディフェンダーの防御機能として、自動バックアップがある。ファイルが変更される前に、自動的に元のファイルをバックアップし、データを保護する。その流れは、以下のようになる。
ファイルの暗号化は、すべてのファイルが同時に行われることはない。拡張子などを検索して、徐々に暗号化を行っていく。ランサムディフェンダーはその動きを検知することで、自動バックアップを開始する。そして、ランサムウェアによる暗号化などで、使用不能になったファイルをバックアップから復元する。
有効なのは、セキュリティ対策ソフトとの併用
一般的なセキュリティ対策ソフトは、2つインストールすると、互いに他方をウイルスと検知してしまい、意味をなさない。しかし、ランサムディフェンダーは、従来のセキュリティ対策ソフトと併用が可能、というよりも併用することが望ましい。
その理由であるが、ランサムディフェンダーには、危険なWebサイトをブロックするといった機能やレピュテーション機能などはない。スキャン機能である程度のマルウェア対策は可能であるが、ランサムウェア以外のマルウェアなどへの対策は、一般的なセキュリティ対策ソフトのほうが向いている。さらに、最近のセキュリティ対策ソフトでは、スパムメール対策など総合的な対策を行うものもある。それらと組み合わせることで、多重防御となる。
さらにいえば、ダウンロード版は1ライセンス/3年版は、2980円(税抜)という価格にも注目したい。一般的なセキュリティ対策ソフトに追加してもそれほど大きな負担とならないであろう。
そして、ランサムウェアには、バックアップが重要な対策となることを覚えておきたい。ランサムディフェンダーにも自動バックアップ機能はあるが、日頃から十分なバックアップ体制を構築しておきたい。AOSデータは、本来、データ復旧やバックアップが専門である。同社のAOSBOXのようなクラウド型バックアップと組み合わせることも有効な対策となる。残念ながら、ランサムディフェンダーだけでは、100%確実な防御とはいえない。繰り返すが、複数の対策を施すことが重要となる。そのなかで、ランサムウェアに特化した本ソフトは中核となり得るだろう。