4月12日、インテルが家庭向け「宅内IoTプラットフォーム」の実証実験を発表した。パソコン向けCPUでは独占的なシェアを誇るインテルが、なぜこのタイミングでIoTに取り組むのか、その狙いを探る。

パソコン中心だったインテルがIoTに進出

発表会に登壇したインテル代表取締役社長の江田麻季子氏は、「デバイスが生み出したデータを高速にクラウドに運び、そこから新たなサービスが生まれる。そのサイクルを回していくことがインテルの成長戦略であり、IT業界全体の成長にもつながると信じている」とIoTへの取り組みを語った。

インテル 代表取締役社長の江田麻季子氏

その背景には、パソコン市場の低迷がある。スマートフォンやタブレットの普及が進む中、パソコンの買い換えサイクルは長期化している。パソコン1台ごとにCPUを1個売るというインテルのビジネスモデルは、もはや頭打ちだ。そこで新たな活路を見出そうとしているのがIoTだ。

パソコンだけに頼らず、「クラウド」や「IoT」にも軸足を置きたいインテル

IoTの世界ではパソコンほど高性能な半導体は求められないものの、莫大な数のデバイスが普及することが見込まれ、需要は大きい。この分野で主流を占めるのはARMアーキテクチャのCPUで、そこに目を付けたソフトバンクが英国ARM社を買収したことは記憶に新しい。

そこでインテルはIoT向けに省電力の「Atom」や、さらに小型の「Quark」プロセッサーを売り込み、新たな成長分野を確保しようというわけだ。