レンタル100台が目標、海外展開も視野

トヨタはウェルウォークをレンタルで展開する。借りる方の初期費用は100万円、月額料金は35万円だ。パートナーロボット部の玉置章文氏によると、とりあえずの受注目標は100台。市場規模を聞かれた同氏は、こういったロボットを導入できる医療機関は日本に1,500カ所あると答えていた。早期の海外展開も視野に入っているようで、使用する人の体格が近そうなアジア地域から始めることも検討している模様だ。

パートナーロボット部では今後も新たな商品を投入していく方針。例えば、高齢者施設などで介助、自立、生活などを幅広くサポートする「生活支援ロボット」については、オープンイノベーションの手法も取り入れて実用化を図るという。ウェルウォークはロボットとして「かなりシンプル」な部類に入ると語った玉置氏は、今後はより難しい技術の商用化にもチャレンジしていくとの意気込みを示した。ウェルウォークの商用化で知見を積んだ分、これからは商品投入サイクルを早くできるという手応えも得ているようだ。

パートナーロボット実用化のタイムスケジュール

ロボットもトヨタならではのビジネス?

社会問題の解決を目指してトヨタが進めるロボット事業を、ビジネス的な側面からばかり考えるのは野暮な感じもするが、年間1000万台のクルマを売り、30兆円近い連結売上高をたたき出す同社にとってみれば、ウェルウォークで狙い通りに受注を獲得できたとしても、ロボットの事業規模は微々たるものだろう。

少子高齢化により社会問題化する「現役世代の負担増加」という課題に取り組むトヨタのパートナーロボット事業

ロボットの将来的な事業性について問われた磯辺常務は、「必ず事業に結びつくと信じて頑張ってやっていきたい」と答えていた。今回の発表からは、トヨタが膨大な量のクルマを販売し、全体として好調なビジネスを展開できているからこそ、ロボットのように、規模は小さくても意義ある(とトヨタが考える)事業に取り組むことができているのだろうと感じた。