MVNOの料金を決める上で重要な要素の1つとなる、キャリアからネットワークを借りる際に支払う接続料。その2016年度に適用される接続料が3月31日に発表され、従来より一層下落したことが判明したが、それに伴ってMVNOの料金は下がるのだろうか。
ソフトバンクの接続料が大幅に下落
"格安"にスマートフォンを利用できるとして注目が高まっているMVNO。そのMVNOの料金を決める上で重要な要素を占めるのが、回線を借りる大手キャリアに支払う「接続料」だ。接続料が下がればMVNOの料金も一層下がる可能性があることから、接続料の見直しには毎年注目が集まっている。
大手キャリアの接続料は基本的に、ネットワーク設備にかかる費用をトラフィックで割ることによって算出する仕組みである。今年も3月31日に、大手キャリアが2016年度に適用するパケット接続料、つまりデータ通信の接続料が明らかにされている。
多くのMVNOは、ネットワークの自由度が高い「レイヤー2接続」という接続方法を採っていることから、そのレイヤー2接続に関する接続料を確認すると、NTTドコモが前年度比14%減の674,818円、KDDIが10.6%減の858,335円、ソフトバンクが17.6%減の948,803円となっている。今年も3社揃って接続料が低減傾向にあることが分かる。
しかしながらその下落率を過去と比較してみると、下落幅は年々低下傾向にあることが分かる。一方で、接続料が最も高いソフトバンクだけは、2016年度に大きく落ち込んでいるようだ。なぜソフトバンクだけ接続料が大きく下がっているのかというと、実は昨年、接続料を求めるのに用いる算定式を、総務省が見直したことが大きく影響している。