間口を広げた意味
斎藤氏によると、日本の高級車市場は大体25万台前後で推移しているが、内訳を見ると伸びているのはSUVで、セダンやクーペといった車種は減少傾向にあるという。もちろんA5が属するのは後者の市場だ。
性能やデザインを特徴とするA5は、「たくさん台数を売る(台数を追う)ようなクルマではない」と斎藤氏は語る。2017年の販売台数は1,600台を想定しているという。
とはいえ、今回のA5は日本で売れ筋のスポーツバックが最初から用意されるなど、間口が広がった印象だ。中でも注目したいのは、前輪駆動バージョンの存在。四輪駆動のクーペのみで発売した先代はエントリーモデルでも600万円を超える価格設定だったが、今回は前輪駆動のスポーツバックを選べば車両本体価格が546万円(税込み)となる。
A5のデザインや性能に魅力は感じていても、四駆までは必要ないと考える顧客は存在するというのが斎藤氏の見立て。そういった層にも今回のラインアップであれば訴求できそうだ。