アウディジャパンはフルモデルチェンジを実施した新型「A5」を発売する。先代は四輪駆動(クワトロ:quattro)の「クーペ」のみで発売し、後に「カブリオレ」など2つのスタイルを追加するという経過をたどったのだが、今回は最初から3つのボディバリエーションを用意したほか、価格を抑えた前輪駆動タイプもラインアップするなどモデルを多様化。より幅広い層への訴求を目指す。新型A5は日本の高級車市場で存在感を発揮できるか。

アウディ新型「A5」のクーペ

選べるボディバリエーションは3種類

初代A5は2ドアの「クーペ」が2008年に登場し、その後の2年でオープンカーの「カブリオレ」と5ドアの「スポーツバック」が追加となった。2代目となる今回のA5は、最初の年から上記3タイプのボディが選べる。駆動方式ではスポーツバックに前輪駆動が登場。発売時期はクーペと四輪駆動のスポーツバックが2017年4月下旬、カブリオレと前輪駆動のスポーツバックが同7月下旬だ。

クーペのシルエットで4つのドアとテールゲートを備えるスポーツバック(画像左)は、「クーペの美しさ、ステーションワゴンの機能性、セダンの快適さ」(アウディジャパン代表取締役社長の斎藤徹氏)を持つユニークなモデルとして日本で新たな市場を開拓。先代A5を購入した顧客の過半数がスポーツバックを選んだという。画像右がカブリオレだ

A5の発表会に登場したアウディジャパンの斎藤社長によると、このクルマの特徴は(1)力強く、躍動感のあるエクステリアデザイン、(2)高出力と低燃費を実現したエンジン、(3)先進の運転支援システムとコネクティビティーの3つ。例えば運転支援システムでは、時速65キロ以下であれば先行車両を追尾するように加減速やステアリングを行う「トラフィックジャムアシスト」や、路上の白線をカメラで認識して車線維持を支援する「アクティブレーンアシスト」などの機能を搭載する。

波打つようなショルダーラインなどを特徴とするA5のエクステリア(画像左)。デザインのルーツは1980年に登場したアウディ「クワトロ」(画像右)にあるという

スポーツバックで7年ぶり、クーペでは9年ぶりとなるフルモデルチェンジを遂げた新型A5。ボディバリエーションや駆動方式で選択肢が充実した今回は、日本の高級車市場にどのようなインパクトを与えるのだろうか。斎藤氏の言葉から探ってみたい。