gooの強みは日本語固有の処理技術
最近はAIブームが到来しており、AIへの取り組み自体はそれほど珍しいものではない。その中でgooの強みは、20年に渡って検索エンジンで蓄積してきた日本語技術のノウハウにあるのだという。
これに対して、グローバル企業は日本語固有の事情をなかなか考慮しない。「日本で求められる水準のサービスと、グローバル企業の製品にはギャップがある。それを埋めたいという思いが、我々の原動力だ」と、ポータルサービス部門長の鈴木基久氏は語る。
たとえば日本語には、長音の有無などによる表記揺れがある。gooでは100万語に及ぶ「表記揺れ」に対応する辞書を保有しているという。AIと日本語で会話する際にも、さまざまな表記があり得る日本語を正確に読み取ってくれる可能性が高い、というわけだ。
AIとの窓口となるデバイスとして、gooはスマートフォンも取り扱う。特徴は、同価格帯のスマホと比べてもコストパフォーマンスが高い点だ。「gooの本業はポータルサービス。スマホ単体で利益を上げる必要はない」と鈴木氏は割り切っているように、価格競争力は高い。
このように、検索エンジンで蓄積した日本語技術をベースにAIを強化していき、サービスを拡大、それを利用するためのスマホも格安で提供していく。これが、次の20年を見据えたgooの戦略と見てよいだろう。