3月27日、NTTレゾナントが展開するポータルサービス「goo」が20周年を迎えた。検索エンジンではGoogle、ポータルサイトではYahoo! Japanという2強が存在する中、gooは今後何に力を入れるのか。

AIやソリューション、スマホ事業を展開

ロボット型検索エンジンのgooが登場したのは、インターネット黎明期の1997年。人手を介してWebサイトを登録するディレクトリ型検索エンジンが主流だった時代に、ロボット型検索エンジンとして初めて日本語に対応したことが画期的だった。

だが、いまや検索エンジンとしてのシェアは後発のGoogleが圧倒している。2003年からはgooも検索エンジンとしてGoogleを採用。むしろgooのブランドは「教えて! goo」や「gooブログ」を含む、ポータルサービスとして知られているのではないだろうか。

NTTレゾナントが展開するgoo事業

gooの今後の展開として、NTTレゾナント代表取締役社長の若井昌宏氏は「gooのAI」のサービス拡大、サイト内検索のソリューション事業「goo Search Solution」、そして「gooのスマホ」によるSIMフリー端末事業を挙げている。

NTTレゾナント 代表取締役社長の若井昌宏氏

ECサイトなどに検索エンジンを提供する「Search Solution」

ユーザーからの投稿内容をAIが学習

gooのAIは、「教えて! goo」の恋愛相談カテゴリーですでに実用化されている。ユーザーからの質問にAIの「オシエル」が自動的に回答しており、その数は4000件に達する。回答も的を射たものが多く、ユーザーの満足度も高いというのだから驚きだ。

「教えて! goo」でAIが活躍、ユーザー満足度も高い

その基盤となっているのが、NTTグループのAI技術「corevo」だ。これを用いて、過去にユーザーが投稿した膨大なQ&Aのデータベースを学習させ、回答能力を伸ばしているというわけだ。

恋愛相談に続き、NTTレゾナントは新たに「旅行」サービスに取り組む。「gooのブログ」にユーザーが投稿した体験記事や、「goo旅行」「goo地図」といったサイトの情報に基づき、ユーザーの気分に合わせた旅行プランをAIが提案するサービスだ。

ブログや旅行サイトの情報をAIに学習させる

ユーザーと対話しながら旅行プランを提案する

恋愛相談と同じく、AIが提案する旅行プランは自動生成とは思えないほど自然な日本語になっている。プランの内容にはSNSでのトレンドも反映されているという。

このように「ユーザーが投稿した内容をAIに学習させ、新たな価値を生み出す」仕組みは、応用範囲が広い。今後、さまざまな分野に拡大できるとNTTレゾナントは見込んでいる。