2階のコントロールルームから、店舗内全体の空調やショーケースを管理。ウォークインフリーザーやショーケースなどでは、自動温度調整機能が働いているが、万が一、不具合が発生した場合にはアラームが発生し、すぐに対応できるようになっている。

温度管理を行っている。不具合が発生するとアラームが出る

「店舗内は日々柔軟にレイアウトを変更するようにしている。そうした時にも柔軟に移動させられるショーケースが必要。その点でもハスマンのショーケースは適した設計になっている」と、99ランチマーケットを運営するTAWAスーパーマーケット(大華超級市場服務有限公司)のジョンソン・チェン副会長は語る。

TAWAスーパーマーケットのジョンソン・チェン副会長

だが、チェン副会長は、「ハスマンの製品は、温度管理に優れていたり、省エネ効果があったり、あるいは環境にも優しい製品である点が特徴だが、なによりも密着した形でサポートしてくれる点を評価している」と強調する。

新店舗の建設計画を立案する段階からハスマンも参加。「グランドオープン時まで一緒に仕事をしてくれるのがハスマンの体制。その後の保守、メンテナンス体制にも評価をしている」と続ける。故障が発生した場合には、サービス拠点から直接駆けつけられる体制も整備している。

さらに、チェン副会長は、「設計段階から一緒に仕事を開始できることから、それぞれの店舗にあったショーケースづくりのために、柔軟なカスタマイズにも対応してもらえるメリットがある。各売り場のショーケースも、様々な種類の食材を置けるように工夫を凝らすことができている」とする。

たとえば、同店の精肉コーナーに導入した冷蔵ショーケースでは、ショーケース内の肉を店員が取り分けて販売できる構造とともに、袋に入れられたお買い得の肉は、来店客が自ら取れるような構造も取り入れたものになっている。こうしたカスタマイズも、緊密な関係によって実現したものだという。

精肉コーナーで手前に来店客が自由に取れるスペースも用意

ハスマンが北米市場で受け入れられている理由のひとつが、こうした顧客との緊密な関係づくりに力を注いでいる点だといえそうだ。

カギとなる3つのポイント

では、パナソニックは、今後の食品流通への取り組みをどう描いているのか。

ひとつは、パナソニックとハスマンとのさらなる連携の強化である。

ハスマンのフィギィCEOは、「パナソニックの傘下に入ったことで生まれるシナジー効果は大きい。IoT技術の活用やサービス連携など、パナソニックが持つ技術を活用することで、これまでにない提案ができる。新たな扉を開くことができる」とする。

フィギィCEOは、現在、パナソニックと共同で、CO2冷媒を使用した冷蔵ショーケースを開発し、これを遠隔地から管理するシステムと組み合わせて、北米市場に向けた新製品を投入する計画を明らかにした。

「これは新たな冷蔵システムであり、今後24カ月以内に発売する予定だ」と語る。