iPadのサイズは面白い。立教小学校や前述の関西大学初等部では、高学年を中心に、7.8インチのiPad miniシリーズを個人のデバイスとして選択させている。一方、9.7インチのiPad Airシリーズは、小学校低学年向けに選択しているのだ。
一見、成長につれて大きな画面サイズのiPadを選んだ方が良いのではないかと思われがちだが、高学年になるにつれてデバイスを持ち歩いて教室移動やフィールドワークなどを行うため、教科書やノートと同じようなサイズのiPad miniがフィットする。
他方、低学年ではiPadは教室内で使われることのほうが多いため、大きなサイズで机の上に置いて使いやすいiPad Airサイズが良いというのだ。大きな画面での操作の方が、細かく神経質な指の動きから解放されるため、ストレスが低いという現場の声があるのだ。
さて、信学会には新設のコードアカデミー高等学校の他に、保育園・幼稚園から予備校までの学校群が揃っている。
21を数える保育園・幼稚園でも、テクノロジー教育の導入を進めてきたが、2017年度を迎える上で問題が発生している。導入しようと思っていたiPad Air 2が足りないのだ。iPad Air 2の在庫不足は、個人向けにも起きており、長期化している。
例えば2月中旬の段階で、日本のApple直営店でも、iPad Air 2の色によっては在庫切れを起こしていた。また、米国において、3月17日現在、iPad Air 2 32GBの各色をオーダーしようとすると、筆者が住むカリフォルニア州サンフランシスコ周辺の各店舗では在庫切れを起こしており、次の入荷は4月3日と案内されている。
一度に大量に導入する必要がある教育機関では、「新学期に間に合わない」という問題も発生してしまった。信学会では、iPad Air 2を50台導入しようとしたが、納期に8~10週間かかるとの回答があったという。
4月には新学期が始まってしまうため、3月中に台数を確保して初期設定を済ませてしまわなければならない。
そこで信学会では、長野県各地の家電量販店からiPad Air 2をかき集めているところだ。こちらの店舗では8台、あちらでは3台、車で2時間ほど離れた地域の量販店からは5台といった具合に。