筆者は、長野県最大の学校法人、信学会で、プログラミング必修の通信制高校、コードアカデミー高等学校(code.ac.jp)に設立時から関わっている。2014年に生徒3人から始まった学校は、2017年3月に早慶合格者を含む12人の卒業生を送り出すことができた。

学校設立時と比較して、日本におけるプログラミング教育の環境は変わった。特に大きかったのは、学習指導要領におけるプログラミング教育の組み込みが行われることになった点だ。

プログラミングは道具だ。しかし人材の少なさから、今現在はスキルとして活用できる。コードアカデミー高等学校を企画する際、どちらかというとスキルとしてのプログラミングを意識してきた。しかし実際に授業が進んで行くにつれて、「道具」としての側面が強くなってきた点が印象的だ。

新しい学習指導要領では「何を学ぶか、何を理解しているか」から、「何ができるようになるか」「どのように学ぶか」へと展開していく。そのとき、プログラミングは、自分でアルゴリズムなどの仕組みを作ることができるようになり、それらを使って、あるいは作るために自ら学ぶきっかけを与えてくれることに気づかせてくれた。

そんなコードアカデミー高等学校では、Swiftでのアプリ開発を学ぶ関係から、入学時に購入してもらうのはMacだ。しかし2015年末にiPad向けにリリースされたSwift Playgroundsでは、アプリ開発に活かせるSwiftを、入門編的にiPadで学ぶことができる。

詳細は別の記事に譲るが、関西大学初等部では、すでにSwift Playgroundsを用いたプログラミングの授業が小学校4年生から導入されていた。

関西大学初等部では、iPadの耐用年数を3年としているが、学校で一括購入したデバイスに関しては、2013年発売の初代iPad miniが、まだ1台も壊れず動作しているという。その上で、理科の授業で実験のビデオを撮影し、それをKeynoteにまとめるという、比較的重たい作業もこなしていた。

iPadの壊れにくさ、動作が遅くなりにくい点は、教育機関での一括導入や、今後増えていく個別に買いそろえる「教材」としてのコンピュータとして、重要な素質といえる。