MWC 2017で株を上げたファーウェイ
不調に終わったサムスンと異なり、MWC 2017で存在感を増したのが中国のファーウェイだ。発表会は事前に登録したはずの報道関係者が入りきれないほどの活況を呈し、サムスンのお株を奪う形になった。
注目は、フラグシップスマホの「HUAWEI P10」の発表だ。これまでスマホの新製品では、本体サイズやカメラ性能といったスペックばかりが話題になりがちだった。だがファーウェイは今回、端末のカラーバリエーションに焦点を当てている。
なぜ、端末の色が重要なのだろうか。ファーウェイ端末の品質が高く、価格が安いことは当たり前ともいえる。足りないものがあるとすれば、ブランド力だ。そうなれば、「他人からどう見られるか」というファッション性は欠かせない要素になる。
端末デザインの面ではiPhoneを強く意識した。これまで本体背面に搭載してきた指紋センサーはホームボタンに移動し、使い勝手は大きく変わった。既存ユーザーが離れるリスクを冒しながらも、iPhoneユーザーの取り込みに走った挑戦的なデザインといえる。
スマホ市場では、いまなおサムスンとアップルの2強体制が続いている。だがサムスンはNote7でつまずき、アップルも2016年の年末商戦でiPhoneの売り上げが前年割れするなど、順風満帆とはいえない。この好機にどこまでiPhoneユーザーを取り込めるか、注目だ。