安倍首相もオープニングに登壇
とはいえ、CeBITに出展するのはドイツを中心とした欧州企業が多い。日本からの出展者はなかなか増えず、日本市場からの注目度も下がりつつあった。
ところが2017年は日本からの出展者が100社を超え、オープニングセレモニーには安倍首相が登壇する盛り上がりを見せている。
その背景には、毎年1カ国をパートナーとして招く「パートナーカントリー制度」がある。近年ではイギリス、スイス、中国と続いて来たパートナーカントリーに2017年は初めて日本が選ばれた。メルケル首相と安倍首相が意気投合したことで実現したという。
JETROが主催するジャパンパビリオンには、日本から118社が出展。トヨタや日立、パナソニックやKDDIといった大企業はもちろん、海外に初めて出展する中堅中小企業も多数、欧州市場にアピールすることになった。
ドイツから見ても、日本は中国に並ぶアジアでの重要パートナーであり、歓迎ムードが強い。日本は技術立国として知られており、「Pepper」などのヒューマノイドロボットが活躍の場を広げている市場として注目されている。
パートナーカントリーは毎年変わるため、来年以降は日本からの出展が途絶えるのではないか、との不安はある。だが主催者によれば、この制度をきっかけに欧州への足がかりをつかみ、CeBITに継続して出展する企業も少なくないという。
日本から見た欧州の魅力とは
日本からの海外進出として、最初に想像するのは北米、そして中国などのアジア諸国ではないだろうか。一方、欧州は間に中国やロシア、インドを挟んでいることもあり、遠いイメージだ。
だが、そうした距離感があるだけに日本企業の進出は意外性がある。欧州に進出したベンチャー企業からは、シリコンバレーのような激しい競争がなく、旨みが多いとの声もあるほどだ。CeBITはそのチャンスを見つける絶好の機会になりそうだ。