新型「プリウスPHV」のトピックの1つは、コネクティッド環境の充実だ。インテリアには11.6インチという巨大な縦長ディスプレイを備え、テレマティクスも進化。PHV専用のスマートフォンアプリも用意した。トヨタ自動車のコネクティッド戦略はどこを目指すのか。開発担当者に聞いた。
EV走行だけではないプリウスPHVの注目ポイント
トヨタの新型プリウスPHVは、満充電で68.2キロ走れるという大容量リチウムイオン電池や、1日最大6.1キロの走行用エネルギーを生み出すルーフのソーラーパネルなど、電気で走る能力の高さが注目されているが、アピールポイントはそれだけではない。
インパネ中央に据えられた11.6インチという超大型の縦長ディスプレイ、充電ステーション検索やエアコン操作が行えるスマートフォンのアプリなど、つながる能力の高さもアピールしているのだ。
そこで今回は、トヨタのコネクティッドカンパニー所属で、プリウスPHVのテレマティクスを手掛けた山田貴子氏と、ミッドサイズビークル(Mid-size Vehicle)カンパニー所属で車両企画を担当した小島利章氏に、開発背景や導入の目的などを伺った。
まるでタブレット、大型ディスプレイの存在感
まずは多くの人が最初に注目する大型縦長のディスプレイについて。小島氏は次のように導入の経緯を説明した。
「かなり前からプリウスPHVには導入しようと決めていました。しかしながら、ただ装着すれば良いというわけではありません。縦型にしたことで新たに可能になった機能がいくつかあります。それらをどう収めていくか、社内だけでなく外部のデザイナーにも入ってもらって開発しました。その結果、私たちは『リボルバー』と呼んでいるメニュー画面、エアコンやオーディオのメニューがポップアップする画面などが生まれました」
プリウスPHVのカタログでは、このディスプレイについて「使い勝手は、まるでタブレットです。」とうたっているが、たしかに乗り込んですぐに使いこなせる、練り込まれたインターフェイスだと思った。
一方で地図の表示や操作方法については、これまでのトヨタ車の様式をそのまま受け継いでいる。なので統一感がイマイチという声もあるそうだ。しかし、これは分かりきってやったこと。長年トヨタのナビを使い続けてきた人も多いので、そういう人たちのために従来の様式を残しているというのだ。