首都高道路の代表取締役社長 宮田年耕(としたか)氏によるあいさつのあと、訓練が開始された。まず、事故現場に数台の一般車が向かってくる。これは、後続車を想定したもので、事故現場の手前で停車した。事故に気づいたという設定だろう。
やがて神奈川県警高速隊のパトカー、黄色い首都高のパトロールカーが続々とトンネル内にやってくる。トンネル内の暗がりに、赤色灯を光らせた多数の車両が進入してくるのをみて、こんな表現が許されるかどうかわからないが、往年の刑事ドラマ「○武警察」を思い出してしまった。そして、事故現場に着くと迅速に避難誘導活動に移り、泡消火栓による初期消火活動を開始。さらに、スプリンクラーが作動し、道路上は降雨のあとのように水で濡れた。
管制室も訓練に参加
ここで見上げると、電光掲示板は「トンネル火災 避難せよ」という“危機的”な表示になっていたのに気づいた。確か、訓練開始前は「3月18日(土) 16時 横浜北線 開通」と、きわめて“平和的”なメッセージが表示されていたはずだった。
実は、横浜北線には約100メートルおきにテレビカメラ、約25メートル間隔で自動火災検知器が設置され、道路の情報が24時間体制の管制室に伝えられる。スプリンクラーが作動したのも、電光掲示板が“平和的”なものから“危機的”なメッセージに変わったのも、おそらく管制室からの制御によるものだろう。