3月18日、横羽線と第三京浜を結ぶ高速道路「横浜北線」が開通する。この道路は全長約8.2kmだが、そのうちの約5.9kmがトンネル。そして、開通目前の3月8日、トンネル内でおおがかりな防災訓練が行われた。
この訓練の主体は神奈川県警察、横浜市消防局、首都高速道路の3者だ。そのほかにも日本道路交通情報センター、首都高パトロール、首都高協定レッカー社、東急バスなどが協力機関として参加した。まさに、高速道路に関わる機関、企業、団体が総力を挙げて実施した訓練といえる。その訓練を見学させていただいた。
当日、メディアは新横浜駅前のロータリーに集合。そこでマイクロバスに乗車し、15分ほど移動。横浜北線へと向かった。
防災訓練での想定はかなり細かく設定されていたが、かいつまむと「午前10時、複数車による事故発生。そのうちの1台から火災が生じ、脱出不能者や負傷者が多数」というものだった。トンネル内で多重事故が起きたという想定だろう。
さて、バスは横浜北線へと進んだ。当然のことながら開通前の高速道路だ。ほかに走行する車両はなく、「天気もよいし、ほかにクルマもないし、いい気分だなぁ」などと、車窓を眺めながらのんきな考えを巡らしてしまった。
クラッシュした乗用車やトラック横転も……
やがて、バスはトンネルに進入。数百メートル進んだところで停止、トンネル内で降車し連絡通路を歩いて反対側の車線へと出た。
その光景に、息をのんだ……。
そこにはクラッシュした数台の乗用車、横転したトラック、まさに凄惨な多重事故の現場が実車で再現されていた。正直、実車大の模型か何か、つまり“ハリボテ”みたいなもので訓練をするのかなと思っていたため目を見張った。それまでの“のんきな気分”も吹き飛んだ。