米Mozillaは、3月7日(現地時間)にFirefoxの新バージョンとなる「Firefox 52」をリリースした。前バージョンの51からは、51.0.1がリリースされている。51.0.1では、以下の修正が行われた。
- Windows版:ゲオロケーションが動作していない問題
- いくつかのアドオンが、マルチプロセスに対して非互換性情報が正しく登録されていない問題
したがって、今回のアップデートは、51.0.1からとなる。本稿では、Firefox 52の新機能と同時にリリースされたESR版について紹介したい。
Firefox 52のインストール
手動でアップデートを行おう。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[Firefoxを再起動して更新]をクリックする(図1)。
新規に、Firefox 52をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図2)。
[Firefox無料ダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、 インストールを開始する(図3)。
Firefox 52からは、240KBの軽量インストーラ(スタブインストーラ)となる(セットアップファイルが、この後、ダウンロードされる)。あとは、画面の指示通りにインストール作業を進める。以降で、Firefox 52の新機能や変更点を見ていこう。
Firefox 52の新機能
Firefox 52の新機能であるが、以下の通りである。
- WebAssemblyへの対応を追加。これにより、プラグインを用いることなくネイティブに近いパフォーマンスをWebベースのゲームやアプリ、ソフトウェアライブラリ実行可能に。
- Wi-Fiアクセスポイントへの接続を簡単にするため、キャプティブポータルの自動判別を追加。
- 安全でないHTTPサイトによる「secure」属性付きCookieの設定を禁止するStrict Secure Cookies仕様を実装。場合によっては、安全でないサイトが同じベースドメインから発行された既存の「secure」なCookieと同名のCookieを設定することも禁止される。
- ログインフォームを含む安全でないHTTPページでの警告を追加。
- タッチスクリーン搭載のWindows PC上でFirefoxのマルチプロセスを有効化。
- Firefox Syncを使って、ある端末から別の端末へタブを送って開けるように。
機能的に大きなものは、WebAssemblyへの対応であろう。また、HTTPSを使用していないページ上でユーザー名やパスワード入力欄を選択すると、「この接続は安全ではありません」というメッセージが表示される。
また、変更点は、以下の通りである。
- Flash以外のプラグインのNetscape Plugin API(NPAPI)対応を廃止。
- ダウンロードパネルの改善。
- 追跡者によるユーザーのフィンガープリンティング要素を減らすため、Battery Status APIを削除。
- Windows上でコンテンツの描画にDirect2Dが使われていない場合、代わりにSkiaを使用。
- Windows XPおよびWindows Vista上のFirefoxユーザーを延長サポート版(ESR)へ移行。
- MozillaのCA証明書プログラムに含まれているルート証明書を最上位とするSHA-1証明書に遭遇した場合、「信頼できない接続」エラーを表示。
NPAPIプラグインの廃止で、Silverlight、Java、Acrobatなどが使用できなくなる。新しいダウンロードパネルであるが、図5のようになる。
具体的には、
- ダウンロードが失敗した場合、ツールバーに通知を表示
- 最近のダウンロード項目へのクイックアクセスを3件から5件に変更
- キャンセルと再開ボタンのサイズを拡大
開発者向けは、以下の通りである。
- CSSグリッドレイアウトを有効化。
- 画面共有のセキュリティを強化し、プレビュー表示を追加するとともにドメインホワイトリストを廃止。
- レスポンシブデザインモード を再設計し、各種端末の選択、ネットワーク制限などの機能を追加。