とはいえ、契約前から発病していたのに、契約した後に本当に支払い対象になるのか疑問に感じる人もいらっしゃるでしょう。答えは「基本的にはOK」。ただ、注意すべき点もあるのです。

例えば、契約前から治療していた病気が契約後に悪化し、入院や手術を要するようになった場合は支払い対象です。しかし、契約前にすでに医師から入院や手術を勧められていた場合は、支払い対象外。このようにさまざまな条件があるため、申し込み前に給付条件などをしっかり確認しておかなければなりません。

契約から1年以内は契約金額の半分のみの支払い

また、支払い対象となる場合でも、契約してから1年間は契約金額の1/2しか支払われないことにも注意が必要です。限定告知型保険には死亡保険も医療保険もありますが、1/2の給付制限は死亡保険金、入院給付金ともに適用されます。ただし、病気ではなく災害死亡の場合は契約上の保険金が支払われます。

なお、最大のデメリットとも言えるのが保険料です。引き受け条件が緩和される代わりに、保険料は通常の保険に加入するよりも割高に設定されています。病気がちで入院や治療などの医療費が膨らむ可能性を考えると、病気の種類や状態によっては割高でも加入する価値はあります。しかし、公的医療保険の「高額療養費制度」があることを考えると、自己負担すべき部分を貯金でまかなう方法もあります。

保険会社によっては20歳から加入できる場合もありますが、一般的に限定告知型の保険は、おおむね40~80歳までと加入可能年齢も限定されています。通常は契約年齢が高くなるにつれ、保険料も高くなるもの。そこへさらに引き受け基準緩和で割高になるのであれば、保険金と保険料のバランスがうまく取れているか確認することも大切です。

例えば医療保障でも、保険会社によっては一般的な入院・通院以外にも健康保険の対象とならない先進医療の治療費を保障するものもあります。健康保険対象外の費用は高額療養費も対象外ですから、病気リスクの大小によっては加入を検討してもいいかもしれません。

健康に不安がある人ほど頼りにしたい保険ですが、メリット・デメリットをしっかり確認してから加入の検討をしてくださいね。

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筆者プロフィール: 武田明日香(たけだ あすか)

エフピーウーマン所属、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル! 」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「web R25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)。