――ではこれから、真壁有希子に習って、天海さんを丸裸にしていく"緊急取り調べ"の質問をいくつかさせていただきたいと思います。天海さんには、演じる役柄もあって「カッコいい」「理想の上司像」などのパブリックイメージがあります。学生時代から"リーダータイプ"だったのですか?
全然そんなことないですよ(笑)
――学級委員などの経験は?
学級委員って、クラスの皆の持ち回りでやったりするじゃないですか(笑)。そんな感じで務めたことはありますが、特にリーダーシップを取るタイプではなかったように思います。
―――活発に外で遊ぶ子どもでしたか? それともインドア派?
公園など、よく外で遊ぶ子どもでした。
――苦手な食べ物は?
シイタケとニンジンが苦手でしたが、あとは好きでした。でも小学校2~3年生頃にはそれも克服したかな?
――それは親御さんからの教育で?
いいえ、自分で。ある日、学校帰りに突然「生のニンジンが食べたい」と思ったんです(笑)。私もなぜだか分からないのですが。それで、学校から帰って台所の母に「ニンジンが食べたい」と言って。母はニンジンを輪切りにしてくれました。それをガリガリガリガリと(笑)。「ニンジンってお尻がおいしいんだな」と思いました(笑)。なんか独特の味なのですが、私はわりと薬味系が大好きでして(笑)。「あ、なんだ。匂いがあるものは逆に大丈夫だ」と。それでニンジンは克服しました。
――すごいエピソードですね(笑)。シイタケはどのようにして克服されたのでしょうか?
シイタケは、炒めたときのグニャっとした食感が嫌いだったようで。魚焼き器で焼くと、焦げ目がついて、パリっとではないですが、グニャッではなくなるじゃないですか。それを生姜醤油でいただいたのですが、「あれ、シイタケおいしいな」と。それから好きになりました。
――苦手なものは自分から克服していったタイプですか?
そうでもないですよ。その時は、たまたまタイミングが合ったのでしょうね。
――次に、メディア関連の質問に移ります。ネットの普及を含めて娯楽が多様化し、テレビが唯一の家庭の楽しみではなくなっている今、連続ドラマを取り巻く環境は厳しくなっていますが、多くの作品で主演を務める天海さんは、どのように捉えていますか?
「娯楽の多様化」がひとつの原因として考えてくださっている方たちの優しさに、私は甘えてはいけないと思います。だから、それを言い訳としないためにも、しっかりと頑張って良い作品を送り届ける努力を続けたい。頑張ったところでどうなるかは分からない側面はありますが、テレビドラマにはまだまだ可能性がいっぱいあると思いますね。テレビはまだ捨てたものじゃないですし、面白いものはやっぱり皆さん見てくださるんだという気持ちもあります。
――本作を良いドラマにするために、座長として天海さんが現場でやっていきたいことはありますか?
レギュラーのおじさまたちのほか、スタッフさん、現場にゲストとしてご出演してくださる方、また、ワンシーンでもご出演してくださる方たち、全て、一緒に作品を作る仲間だと考えています。その人たちが嫌な思いをすることがないよう、その方たちが伸び伸びお仕事できるよう、そんな現場でありたいと考えています。
「これをやっちゃダメ、あれをやっちゃダメ」と言われる現場よりも「なんでもやってみて! それを皆で受けて対応していこうよ!」ということができる現場であれば。現場の伸び伸びや、ワクワク感は映像にも出るものだと思うんですよね。全員で楽しんで、全員で同じ方向を向いてお芝居ができれば。そのための努力ができればと思います。
――最後に、『キントリ』を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。
『緊急取調室』、また連続ドラマでやらせていただきます。『キントリ』のメンバーである素敵なおじさまたちと、凶悪な犯人と立ち向かい、その犯人をいかに丸裸にしていくのか。事件の真相と犯人の心の闇に迫っていきます。
パート1を見てくださっている方は「お待たせしました」。今回から見る方も、乗り遅れることは一切ございません。密室の取調室という中で、私たちと被疑者が丁々発止の言葉の戦いを繰り広げます。ぜひ楽しんでいただきたいと思います。"おじさまパラダイス"ですよ(笑)! 私も髪を切って気合を入れて演じていますので、ぜひ楽しみにしていてくださいね。
●天海 祐希(あまみ・ゆうき)
1967年8月8日生まれ、東京都出身。主な出演作に『離婚弁護士』『BOSS』『Chef~三ツ星の給食~』(フジテレビ)、『女王の教室』『偽装の夫婦』(日本テレビ)、『Around40~注文の多いオンナたち~』(TBS)など。今年は映画『恋妻家宮本』『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』に出演し、4月から『緊急取調室』(シーズン2)に主演。
スタイリスト:篠塚奈美
ヘアメイク:竹下フミ