子育て世代にとって、欠くことができないアイテムのひとつが「子供乗せ自転車」だ。幼稚園・保育園の送り迎え、買い物やちょっとしたお出かけに心強い存在なのだが、もちろん、子供乗せ自転車は「自転車にキャリヤ(荷台)が付いていればOK」ではない。そこで今回、初めての子供乗せ自転車を購入する前に最低限知っておきたいことを、「サイクルベースあさひ 世田谷給田店」のスタッフにうかがった。
前乗せと後ろ乗せ、どう違う?
そもそも子供乗せ自転車を購入する前に、その用途を知っておこう。街中を行く自転車を見ると、子供を前に乗せている人と後ろに乗せている人がいることに気がつくだろう。チャイルドシートを前後どちらに設置するかは、子供の年齢、主に体重によって決まる。
子供乗せ自転車の推奨年齢は約1歳以上~6歳未満までとなっているが、後ろ乗せタイプにまだやっと座れるようになったばかりの子供を乗せるのは危険。その判断は、できれば自転車ショップなどの専門スタッフに相談したい。
一般的に前乗せタイプは、15kgまでの子供が対象。ただし、15kgぎりぎりまで乗せるのではなく、それまでに後ろに移動させるようにしよう。前乗せタイプのメリットは走行中に親の目が届くこと。その反面、ハンドル操作に影響が出ることに注意が必要だ。
後ろ乗せタイプは、大体21~22kgまでの子供が対象。親の目が届かないので、ひとりで安定して乗れるようになってからが好ましい。前乗せより、比較的安定して運転ができるというメリットがある。なお、後ろのタイヤの空気が抜けやすくなるので、定期的に空気圧をチェックするようにしよう。
子供を乗せられるキャリヤは何が違う?
また、冒頭の通り「自転車にキャリヤが付いていればOK」ではない。自転車にはそれぞれ最大積載量というのがあり、それは自転車の後ろに付いているキャリヤに記載されている。キャリヤには「MAX15kg」「MAX25kg」「MAX27kg」と記されいているが、これは積載可能kgを表している。
通常、子供乗せに適している最大積載量はMAX25kg以上。この数字はチャイルドシート(平均5kg)の重さも踏まえての最大積載量となる。ちなみにサイクルベースあさひでは、チャイルドシートの重さに左右されて子供の積載可能体重が低くなることを踏まえ、説明した上でMAX25kgではなくMAX27kgの自転車を案内しているという。
なお、キャリヤが付いていない自転車の後ろ最大積載量がMAX15kgまでの場合、MAX27kgのキャリヤを付けても子供を乗せることはできない。また、3人乗車可能な自転車は規定がある。そのため、将来的に子供を何人乗せたいかを考えた上で、自転車を選ぶようにしよう。
電動あり・なしのメリット・デメリットは?
自転車の用途がイメージできたなら、今度はどんなデザインの自転車が自分に合っているのか考えてみよう。子供乗せ自転車を大きく分けると「電動アシストあり」「電動アシストなし」があり、さらに、「タイヤが小さいタイプ」「シティタイプ(いわゆるママチャリ)」という選択もある。
子供乗せ自転車として多くの人が選ぶのが電動アシスト自転車。子供を乗せていてもいなくても、こぎ出しや坂道が格段に楽になり、搭載されたモーターのアシストにより推進力が出るため、ふらつきが軽減される。ただし、重量が一般車よりも重く、押す場合に重さを実感する。それゆえに、空気が一般車に比べると抜けやすい。また、充電が切れると少し重たくなる。値段は13~14万円程度が一般的だ。
電動アシストなしの場合、電動アシストに比べると6万円くらいと安価であり、種類が多いという特長がある。ただ、上記の写真のような前乗せタイプの自転車だと、種類が限られる。当たり前だが、変速が付いていても、スピードを伴うこぐ楽さと軽さは電動アシストの方が勝る。
今度は、「タイヤが小さいタイプ」「シティタイプ(いわゆるママチャリ)」はどう違うのか、それぞれのメリット・デメリットを考えてみたい。また、自転車と併せてそろえておきたいアイテムや、子供乗せ自転車ならではのマナーも紹介しよう。