「東芝あんしんサポート」のサポート電話センターでは、数百人のスタッフがひっきりなしにかかる電話に応対していた。サポートスタッフは数名でグループを作り、複雑な問題は上位のスタッフがフォローする。一回の電話にかかる時間などもきちんと管理されており、効率よく問題が解決するような仕組みが形成されている。
東芝PC総合サポートセンターでは、修理やサポートが同じ建物内で行われているため、互いに情報を交換しやすいのも特徴の一つだという。サポートに同じような問い合わせが集中した場合、故障箇所や対策の特定は別のフロアですぐに取りかかれるというわけだ。逆に修理が多い箇所が発覚した場合は、サポートに対応させるのも素早くできる。実際、Windowsのアップデートなどで問題が発生した際にはこうした体制が役立ったということだ。
最後にキッティングセンターを拝見。こちらは一度に数十~数百台単位で導入する企業向けに統一した環境を構築するための場所で、ネットワーク環境なども実際の環境(ドメイン等)を再現しながら準備できる。特にユニークなのは、メーカー系のキッティングサービスにもかかわらず、他社製品が混じっていても同様に作業を行ってくれる「マルチベンダーキッティングサービス」であること。たとえばノートはdynabookでサーバーはIBM、といった組み合わせでも準備できるということだ。
見学のあとは、実際にサポートセンターで利用されている遠隔サポートソフトのデモなどを拝見してツアーが終了した。
ユーザーの側に立ったサポートを提供
サポートセンターは近年効率化が進んでいる業種だが、東芝クライアントソリューションの場合は現場でお話を伺っていても、いい意味で効率化にこだわらず、ユーザー本位のサービスを提供しているな、と感じさせるところがあった。
たとえばサポート分野については、最近はチャットBotの導入やAIによるFAQの処理なども進んでいる分野だ。こうした技術を取り入れて効率化を図らないのか、という質問を投げかけてみたところ、「検討はしているが、そうした技術はITに馴染みのある若年層の利用が中心であり、東芝の顧客はもう少し年齢層が高いので、すぐにはそぐわないのではないか」という回答をいただいた。効率化だけを追求せず、ユーザーの実態に合わせたサービスを提供していくという姿勢は、ユーザーの立場からは歓迎できる。
dynabookシリーズでは「使いやすさ」と「トラブルなく使い続けられる」という2つの特徴を「dynabook Quality」と呼んでいるが、手厚いサポート体制はまさに「トラブルなく使い続けられる」点を補完するものとして機能している、重要な役割だ。今後もその評価を下げることのないよう、ユーザー本位のサービスを推し進めていただきたい。