リリムたちのかわいらしさを追及した劇中歌「THANKSGIVING ≡ LYRICS」
3人は、その日高と原とのキャラクターユニット・LILIc'sによる劇中歌「THANKSGIVING ≡ LYRICS」も担当。こちらは、錦織監督から日高演じる新キャラ・リリムらのかわいらしさを強調するようオーダーがあったことから、TVシリーズのエンディングテーマとして原と内田彩が歌った「BEAUTIFUL≒SENTENCE」のような、スピード感を重視した早口の楽曲にならないよう留意しながら制作された。
「かわいいだけじゃなくて、メロディがちょっと切ないのはストーリーの影響?」と松井から問われた石川は「もちろん」と即答。そんな松井も歌詞について尋ねられると「TVシリーズのエンディングとしてのキャラソンもそうですが、詞を作る時にまずデュエットのものを作った後にそれをバラして、間を埋める作業をします。こうして曲が新しく2曲分できるんですね。これが"トリニティメソッド"です」と解説し、「THANKSGIVING ≡ LYRICS」もそれぞれ日高と原のソロとなる二つの別バージョンがあることをアピールした。
レコーディング時のエピソードとして、フジムラは「今回の曲もそれなりには(テンポが)速いところもあるのですが、原さんが『BEAUTIFUL≒SENTENCE』に比べて遅くて助かりましたって言ってくださって」と回顧。また、「スピード感という意味では(前曲より)楽だったと思うのですが、メロディだったりリズム感は難しい面もあったと思います」と称賛した。
イベント随所で原由実への熱い思いが爆発
イベントでは、メンバー3人がそれぞれの好きなキャラを発表する場面も。「(風間)レヴィが好き」と答える松井を遮るかのように石川が「原さん」と断言すると、「キャラじゃないから!」とツッコミを浴びつつ、会場の笑いを誘った。そんな中フジムラは原の演じる「リリス先生も好きですけど」と前置きしつつ、「キャラ的に面白くて大好きなのはルーグ。ほっこりしちゃいますね」とほほ笑んだ。
最後のあいさつを求められた際も石川は、原と石川、そしてサイトウ氏が登壇しリリスの魅力を語るトークイベント(3月4日に東京・新宿バルト9にて開催)を見越して「また来ます」と一言。松井から「次の方が楽しみなんかい!」とツッコミを受けると「だって原さん来るじゃん……」とこぼしながら強調した。
一方、フジムラは「基本的に音楽は(物語の)据え物で脇役ですが、このシリーズは本当にサウンドを推していただける機会が多くて、作者冥利(みょうり)に尽きます」と感謝。松井は「続きが見たい……ですよね? 皆に宣伝して皆で広げてください。そして続きを皆で作りましょう!」と力強く呼びかけた。
2月25日に行われた公開初日舞台あいさつでは、原も「劇場版ならではの、音が迫ってくるような感覚など、ぜひ音楽にも注目してほしいです」と語ったTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDの劇伴。そこには、いわゆるテクノポップ的なサウンドだけでなく、"シアター感"が強調された奥行きのあるシンフォニックな楽曲や、声優キャストのボイスをまるで一つの楽器のように用いた実験的な楽曲などさまざまな音がある。
イベントの中では「そもそもTVシリーズの時から、『TECHNOBOYSのニューアルバムを作って』というオーダーをいただいたんですよね。基本的にはフルアルバムを作るイメージと言ってもらったのもあって、曲の尺が普通の劇伴より長いです。長めに作って一部使うのかな? と思ったら全部流されちゃった」と松井が苦笑する一幕も。劇中で描かれる新たな物語と共に、シリアスなシーンでもセクシャルなシーンでも、その場景一つ一つを鮮やかに彩るTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDによる"アルバム作品"としての側面にも注目したい。