すごい実験結果
モバイル空間統計を活用した予測表示は500メートル四方で範囲が広すぎるのではないか、と不安視してしまうが、その結果たるや、なかなかのものである。
予測正解精度は92.9%と高く、駅前や繁華街などの高需要エリアと住宅街などの低需要エリアでの精度が高かったという。
実験では売上にどれだけ貢献するかも検証。2016年11月から12月において、AIタクシーを利用した26人とそうでない10640人の1日の売上結果を比較した。もともと11月から12月にかけて、タクシーの売上は増加傾向にあるが、結果ではAIタクシーを利用した人のほうが売上の伸びが高かったのだ。AIタクシーは、1日当たりの売上が11月比で6,723円増加したのに対し、非利用者は4,500円の増加にとどまったという。
数値上、良好な結果が得られた実証実験。東京無線ではベテランと新人ドライバーの差を大きく埋めるツールとして活用できるなどと見ており、いいこと尽くめのようだ。
使う側のメリットも大きい。今現在でも、スマートフォンからタクシーを手軽に呼べるアプリがあるが、やはり、必要なときに、何の煩わしさも感じずにタクシーに乗れるほうがいい。自分がタクシーに乗りたいときに、すぐそこにタクシーがいる。そんな状況に、テクノロジーの怖さを感じてしまうけれど、ちょっと便利な未来にも期待したい。
ちなみに、ドコモは、2017年度下期の商用化を目指すとしており、スケジュール的には、そう遠くない将来に世の中に提供されそうだ。