キーボードのキーピッチは19mm、キーストロークは1.4mm。[Tab]キーや記号キーの一部の幅が狭いが、[Enter]キーの大きさは十分。普段フルサイズのキーボードを使用していても、数日で快適に入力できるようになるはずだ。

タイピング音も小さく、低く調整されている。ファンレスの本機は動作時に無音だ。それに加えてタイピング音も静かなので、教室や電車車内、喫茶店などで利用する際に周囲に迷惑をかける心配は少ないのが嬉しいところだ。

トラックパッドもクリック音が小さく、感触も良好だ。しかし、実測W87×D46mmとサイズが狭いので、さすがにマウスカーソル操作は窮屈な印象を受けた。ジェスチャー操作も、トラックパッド全体で意識的に大きく指を動かさないと反映されないことがあった。用途によってはマウスを携帯しておいたほうがいい。

JIS標準配列(85キー)のキーボード。バックライトは搭載されていない

手の長さが20cmの筆者がホームポジションに両手を置いてみた。日頃コンパクトなノートPCを利用しているおかげか、数十分で快適にタッチタイピングできるようになった

高精度タッチパッドには対応していないが、「設定→デバイス→マウスとタッチパッド→その他のマウスオプション→NXパッド→オプション」から、さまざまなジェスチャー操作を設定・利用可能。しかしトラックパッドが狭いので、「三本指スワイプ」など指の本数が多いジェスチャーで操作しにくく感じた

搭載プロセッサのCore i5-7Y54は「Core i5」が謳われているが、Skylake世代の「Core m5」の後継にあたるCPU。本機は発売前の試作機となるため、ベンチマークテストが許可されなかったが、Core mシリーズは2in1やタブレット向けの低消費電力CPUで、動作速度より省電力性能が優先されている。非力というほどではないが、動画の書き出しなどの高負荷な処理は避けたほうがよさそうだ。

しっかり作り込まれたモバイル特化型ノートPC

本製品は最上位モデルでも高いパフォーマンスを備えているとは言えない。しかし、初めてノートPCを購入する人の一般的な用途には十分な処理性能を持っているし、ビジネスマンやモバイラーにとっても剛性感の高いボディ、上質なキーボード、12~13時間の連続動作時間は魅力的なスペックだ。できること、苦手なことをしっかり把握したうえで適切な用途に利用するのなら、NECがしっかり作り込んだ本製品の満足度は高いと言える。

LAVIE Note Mobileを手に持ってみたところ

レビュー機の詳細スペック
製品名 LAVIE Direct NM[Note Mobile]
CPU Intel Core i5-7Y54(1.20/3.20GHz)
メモリ 8GB(LPDDR3 SDRAM)
ストレージ 256GB SSD(Serial ATA)
グラフィックス Intel HD Graphics 615(CPU内蔵)
光学ドライブ なし
ディスプレイ 11.6型(1,920×1,080ドット)
通信機能 IEEE802.11ac/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth
インタフェース USB 3.0×2(1基はパワーオフ充電対応)、HDMI×1、SDXC対応カードスロット、ヘッドフォン/マイクなど
OS Windows 10 Home 64bit
バッテリ駆動時間 約12時間(JEITA 2.0)
本体サイズ/重量 W270×D178×H18.5mm/約904g