ここでポイントになるのが、前述したルールだろう。業界や売るもの、クライアントごとに、営業の働き方はまちまち、その企業にあわせたリアルなママルールの策定が大事ではないだろうか。体験から得られる課題はそれによってかわってくるだろう。キリンは、浮かび上がってきた課題を整理し、「ママ取り扱い説明書」を作成。
発表によると、体験期間中のやるべきタスクは、概ね80%ができ、周辺へのアンケートでは、迷惑だったとの回答はゼロ。残業時間は約半分に減らすことができたという。
社外の理解が必要な部分については、営業職にとって大事なアイテム、名刺にマママークをつけ、挨拶の際にママであることを伝えたり、話のタネにしたりしてコミュニケーションにつなげるというもの。2つの提言は4月以降の導入を目指している。
ママ体験を実践することは、事前の準備量の多さなどを勘案すると容易なことではない。だが、企業が本気で取り組むことができたら、企業ごとの課題の洗い出しができるし、社会全体でも知見がたまり、ママがより当たり前に働ける風土作りが進むだろう。そしてその知見を草の根で共有できるきっかけ作りとなるのが、マママークだ。働き方を見直すきっかけになるのは、ママだけにとどまらないだろうから、この提言は、様々な立場の人にとって、「気づき」を得られるきっかけになるだろう。