開発で重視したこと
同社が開発に当たって重視したのは携行性である。パソコンを持ち歩く人が減ったのは、重い、場所をとる、というデメリットがあったからだ。そこで同社は学生がノートパソコンに求める第一のニーズとして"モビリティ"を置き、軽さにこだわった開発を進めた。「LAVIE Note Mobile」については、女子大生の声を反映したものとなっている。
「LAVIE Hybrid ZERO」は最軽量モデルでは約769g。13.3インチサイズで世界最軽量を謳うほどだ。「LAVIE Note Mobile」は少し重くなるが、それでも約904g。いずれの製品も軽さには目を張るものがあり、「これなら持ち運びが苦にならない」と素直に思わせてくれる製品になっていた。
誰に売るのかが重要
課題をあげるとすれば、誰が買うかであろう。もちろん、学生向けの製品であり、学生が使用するのであるが、自由になるお金の少ない学生が果たして買えるかが問題だ。
いずれも最安モデルの市場想定価格となるが、LAVIE Hybrid ZEROは16万4,800円前後(3月2日発売)、LAVIE Note Mobileは10万4,800円前後(3月16日発売)。いかに軽いからとはいえ、購入するのは、1にスマホ、2にパソコンという順番は揺らぎそうにない。スマホに加えて、上記の値段を学生が出すのは無理に近い話だ。
となると、お金を出すのは保護者。言うまでもないかもしれないが、学生向けパソコンを売るには、学生のみならず、保護者をいかに口説くかにもかかっていそうだ。
そこで同社が紹介したのは、あんしん保証サービスである。同サービスでは、通常の1年間の無償保証に加えて、1回当たり10万円までの修理であれば、無償修理を行うというもの。3年版、4年版、5年版があり、高校、大学、高専の一般的な在学期間をカバーできるものとなっている。
こうして考えると、一連の発表内容が放つメッセージは、学生に向きつつも、お金を出す保護者にも向けたもののように思えてならない。それは「パソコンが使えないと就職してから困りますよ。大学生活でパソコンに慣れてもらうには、お子さんが望む持ち運びしやすいものがいいですよ。在学期間は保証がきくうちの製品がいいいですよ」といったものだ。こうしたがメッセージがどれだけ多くの保護者に届き、心に響くのか、そこに新製品の成否がかかっていそうだ。