1月30日を皮切りに、NEC、富士通、日立製作所、パナソニックが2016年度第3四半期(2016年4月~12月)の連結業績を発表した。本稿では、4社の2016年度第3四半期の連結業績をまとめてみたい。

増収増益から一転し減収減益、業績予想も下方修正 - NEC

NECは1月30日、2016年度第3四半期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比8.2%減の1兆7945億円、営業損失は447億円減の170億円の赤字、経常損失は349億円減の16億円の赤字、当期純損失は163億円減の28億円の赤字となった。

NEC 2016年第3四半期連結業績概要

今回、上期決算時点で想定した変動要因の見極めを実施した結果として、2016年10月31日に発表した年間の連結予想の下方修正が発表された。売上高は2000億円減の2兆6800億円(前年比5.1%減)、営業利益は700億円減の300億円(前年比614億円減)、当期純利益は300億円減の200億円(前年比559億円減)に修性された。大幅な下方修正ということもあってか、決算発表の会見には急遽、代表取締役執行役員社長兼CEOの新野隆氏が出席した。

NEC 2016年度通期業績予想

売上収益予想の修正の要因としては、日本航空電子工業普通株式に対する公開買付けによる同社の連結子会社化により増加を見込むが、大型案件のずれや期待案件の失注などによるパブリック事業の売上減少、海外事業の伸び悩みなどによるテレコムキャリア事業の売上減少、ハードウェアの減少によるシステムプラットフォーム事業の売上減少、その他の海外事業の売上減少などが挙げられている。

営業利益予想の修正の要因としては、売上減少による損益悪化に加え、パブリック事業やその他の海外事業で採算性が悪化したことが挙げられている。

不採算案件への対策としては、「社会インフラ領域における、IT領域のプロジェクト管理ノウハウの横展開、生産管理部門など共通部門によるサポート機能の強化」「海外領域における、営業部門と製品・サービスを担う事業部門の連携強化」を実施するとしている。

不採算案件への対応

減収増益、 同日にニフティ再編発表- 富士通

富士通は1月31日、2016年度第3四半期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比6.1%減の3兆2005億円、営業利益は前年同期から616億円増の632億円、税引前利益は前年同期比305.2%増の681億円、当期純利益は前年同期の106億円の赤字から322億円となった。

国内の売上収益はほぼ前年同期並みで、LSIや携帯電話が減収となったが、サービスがシステムインテグレーションやアウトソーシングを中心に伸長したほか、PCやモバイルウェア、ネットワークプロダクトが増収となった。海外は15.6%の減収で、為替影響を大きく受けたほか、欧州向けのインフラサービスが売上減となった。

営業利益はLSIや海外サービスが減収影響を受けたが、PCや携帯電話がコストダウンや費用効率化などにより改善したほか、国内のネットワークプロダクトやサービスの増収効果が増益に寄与した。

富士通 2016年第3四半期連結業績概要

2016年度の連結業績予想は、2016年10月の発表から据え置きで、売上高は前年比5.0%減の4兆5000億円、営業利益は同0.5%減の1200億円、当期純利益は同2.0%減の850億円としている。

富士通 2016年度通期業績予想

同社は同日、ニフティの再編を発表した。ISPを中心とするコンシューマ向け事業は4月1日を効力発生日として吸収分割の手法により、新設する100%子会社に継承させる。新会社の全株式はノジマに譲渡される。

一方、ニフティはクラウドを中心とするエンタープライズ向け事業は、4月1日に発足予定の「富士通クラウドテクノロジーズ」が担う。