揺れ量や撮影距離を表示
レンズの外形寸法は最大径80mm×長さ145.5mmで、フィルター径は67mm。質量は約710g。前モデルに比べるとやや大型化し、80gほど重くなっている。ユニークなのは、レンズ鏡胴の上部に液晶画面を備えていること。ここには揺れ量、撮影距離、焦点距離のいずれかを表示でき、表示モードボタンを押して切り替えられる。ボタンの長押しで表示をオフにすることも可能だ。
この液晶表示は、カメラブレが生じやすい状況でブレの度合いをチェックしたいときや、フォーカス固定で撮る際にフォーカス位置の目安を数値で確認したいときなどに役立つ。表示がレンズの上側にあるため、ファインダーと同時に見ることができないが、バリアングル液晶やチルト液晶を利用して上から覗くようなスタイルで撮影する場合や、カメラを三脚にセットして撮る際にはスムーズに確認可能だ。
レンズの描写性能については、画像中央部においてはシャープで高コントラストな写りを実感できた。遠景の細部まで正確に表現できる。周辺部に関しては滲みや色収差がやや見られるものの、拡大表示して厳密にチェックしない限りは気にならない。この価格帯の望遠ズームとしては良好な光学性能といえる。
「EF70-300mm F4-5.6 IS II USM」は、スピーディなAFと強力な手ブレ補正によって気持ちのいい操作感を実現したレンズだ。より大きくて重く高価な「Lレンズ」の望遠ズームに比べると、描写力で一歩及ばない部分はあるものの、比較的求めやすい価格は大きな魅力。コストパフォーマンスに優れた製品として幅広い層にお勧めできる。