1月初旬に開催された「CES 2017」を契機に、一躍注目度が高まった有機ELテレビ。関連する話題が増えてきたところで、ここで一度、各メーカーが1月に発表した有機ELテレビの特徴をおさらいしておこう。ちなみに「有機ELテレビと液晶テレビの違い」については、前編にあたる記事にまとめたので、そちらも参照いただきたい。

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ソニー「BRAVIA A1E」

ソニーがCESで発表した有機ELテレビは、BRAVIAシリーズの新顔「A1Eシリーズ」として、2017年に発売が予定されている。画面のサイズは77型 / 65型 / 55型の3種類を予定するようだ。

BRAVIA A1Eシリーズ

映像処理エンジンに、フラッグシップ液晶テレビ「Z9Dシリーズ」の開発によって誕生した高性能プロセッサー「X1 Extreme」を搭載している。4K/HDR映像へのアップコンバート処理も含めて、有機ELディスプレイの特性にエンジンのパフォーマンスを最適化した精悍な映像を、CESの会場で体験できた。

HDRの技術は、従来から対応する「HDR10」のほかにも、ソニーのテレビとしては初めて「Dolby Vision」に対応することが決まった。日本では2017年から本格的に運用が始まる、HDR対応の放送を見るために必要な「HLG(Hybrid Log Gamma)」には、今回紹介する4社の有機ELテレビが対応を表明している。

A1Eシリーズは画質だけでなく、プロダクトデザインやサウンドの作り込みも非常に個性的なテレビだ。

大画面に映し出されるコンテンツにより深く没入できるよう、リアルなサウンドを再現するためにパネルの前面を振動させて音を鳴らす「アコースティック・サーフェス」という技術が採用されている。詳細についてはCESの会場で本機を取材したレポートを参照してもらいたいが、スピーカーの姿は見えないのに、クリアで音場もワイドな音が聴こえてくる。有機ELであることの魅力をさておいても、この音が出る仕組みを知っただけで「このテレビが欲しい! 」と気持ちが高ぶってしまう。

設置の仕方もユニーク

立てたディスプレイを背面のスタンドで支える"卓上カレンダー"のようなデザインはユニークだが、この置き方が我が家でも再現できるのかが気がかりでもある。側面から見ると「△」の形になるので、スタンドを開いた状態でテレビラックの上に乗せられるのか心配だ。ラックを使わず床に直置きするとなれば、今度は画面の位置がやや低く感じられるかもしれない。スタンドの部分に配置されている入力端子からケーブルを引き回してテレビを美しく置くテクニックも、今までと違う工夫が必要になりそうだ。