2011年開催「第36回ホリプロタレントスカウトキャラバン~次世代声優アーティストオーディション~」でファイナリストに残り、その後ホリプロ所属の声優アーティストとなった木戸衣吹と山崎エリイ。二人は2014年6月にユニット、every♥ing!を結成し、2015年5月に1stシングル「カラフルストーリー」でメジャーデビュー。

木戸衣吹(きどいぶき)1997年11月14日生まれ。青森県出身。ホリプロ所属。主な出演は『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』姫小路秋子役、『レーカン!』天海響役、『にゃんこデイズ』まー役、『アイドルマスター ミリオンライブ!』矢吹可奈役など(右)
山崎エリイ(やまざきえりい)。1997年11月20日生まれ。千葉県出身。ホリプロ所属。主な出演は『サムライフラメンコ』森田萌役、『パンでPeace!』逢沢ゆう役、『レーカン!』小川真琴役、『にゃんこデイズ』しー役など(左)
撮影:西田航(WATAROCK)

今回は、1月18日に1stアルバム『Colorful Shining Dream First Date♥』をリリースするevery♥ing!に実施。アルバムについてはもちろん、二人の出会い、そして2月よりスタートするライブツアーについてじっくりと聞いた

衣吹のeveとエリイのery

――今回は1stアルバム『Colorful Shining Dream First Date♥』についてはもちろん、お二人の出会いについてもお聞きしたいと思っています。2011年に開催された「第36回ホリプロタレントスカウトキャラバン~次世代声優アーティストオーディション」が最初ですよね。

木戸 はい。「ホリプロタレントスカウトキャラバン」で一緒になりました。同期に田所あずさちゃん、大橋彩香ちゃん、Machicoちゃんがいるんですけど、エリイちゃんとは同い年なんですよ。

――お互いを最初に意識した瞬間は覚えています?

山崎 当時はまだ13歳ですし、一人で遠方に行くこともなかったですし、目の前のレッスンに一生懸命で周りが見えていなかったんです。同い年の子がいることにもオーディションのファイナルで気付いてびっくりしました。

木戸 私のエリイちゃんの第一印象は「ふわふわした子」。大丈夫かなって心配になるくらい天然だったので。エリイちゃんとはじめてしゃべったのは、東京合宿で品川ステラボールに向かう時のエスカレーター。前の列に並んでいたエリイちゃんがエスカレーターから転んで落ちちゃったんです。

山崎 荷物が多すぎちゃって(笑)。

木戸 下で見ていて「おおおおーー!!」って。足を怪我して血も出ちゃって「ふええー」と泣いていたので、「大丈夫ですか?」って。それがはじめてしゃべった時だよね。

――すごいショッキングな出会い!

山崎 敬語で話しかけられて冷静に助けられたので、同い年の子とは思えなかったんです。しっかりしている人だな、大人っぽいなっていうのが第一印象でした。当時のレッスンは過密スケジュールだったんですけど、それでも真剣にやっていたんですよ。まさか同い年とは……。ホリプロに入っても同い年とは思えなかったです。

――それがいまや。

山崎 いや! いまも大人っぽいです。

木戸 うれしい(笑)。

――そして二人とも「ホリプロタレントスカウトキャラバン」のファイナリストに残り活動を続け、2014年6月に開催されたアニメソング・ゲームソングのカバーライブイベント「Super Anisong Ichiban!!!!」でevery♥ing!の結成を発表しました。

木戸 当時、ダンスレッスンが終わった後に大人の方たちに呼び出されて、「怒られるのかな?」と思っていたんですけど、「ユニット組むよ」って言われて、やっぱりうれしかったです。それに、私は一人で歌うのが苦手なので、ソロより一緒に歌ってくれるパートナーがいたほうが安心するタイプなんです。

山崎 私も同じく怒られると思っていました。びくびくしながら会議室に入ったらユニットのお話で、すごく衝撃が走ったのと、怒られなくて済んだという感情が入り混じって泣いてしまうという(笑)。

――その時にはまだevery♥ing!というユニット名は付いていなかったんですよね。

山崎 まだでした。でも、スタッフさんたちはいろいろと考えていたみたいです。

木戸 はじめて名前を聞いた時は、「ブリ」って付いていたので、ブリブリしてなんかかわいくて女の子っぽい雰囲気で、すぐにお気に入りになりました。

山崎 最初は衣吹のeveとエリイのeryが入っていることに気付かなかったんです。こんなさりげなく入っているなんて! と思いました。

心がぽっかりぱーって

――デビュー直後で一番印象に残っていることってなんでしょう?

山崎 2014年8月、北海道新千歳空港で「新千歳空港アニメフェア2014」というイベントに出演させていただいたときです。every♥ing!としてははじめてのステージで、「ゆめいろ学院校歌」を初披露して、来てくださったみなさんに歌詞を一個ずつ説明したんです。ステージの後ろにエスカレーターがあって、そこから観てくださっている人もいたので、「あ~どうしよう~」って集中力がプツンと切れるときがありました(笑)。当時は、今ほどお仕事も入っていなかったので、ドキドキソワソワしていました。あと、「39(Thank you)公演」ですね。

――2014年11月から半年間、全13日39回で行われた「ゆめいろ学院校歌」の発売イベントですね。

山崎 あれはevery♥ing!の育成期間だったなって思います。しかもその後、1stシングル「カラフルストーリー」の発売記念でも39回公演という第2ラウンドまであったのが衝撃的でした。当時は高校生で、平日は学校に行って、土日は「39公演」で来てくれたみなさんとおしゃべりをして、すごく楽しかったです。大変だったんですけど、いざ終わってみるとさみしかったです。学校が終わって宿題をしながら、「あ、次の土日は『39公演』ないんだー……」って。心がぽっかりぱーって感じでした。

木戸 「39公演」でかなり体力が付きました。every♥ing!として活動をはじめて印象に残ったことは、ダンスの振り覚えが早くなったことです。一曲の振り付けを3時間くらいで覚えられるようになりました。

――ちなみにそれ以前は。

木戸 もう2~3日くらいかかりました。サイドステップとかも全然できなかったんです。「ゆめいろ学院校歌」のダンスレッスン中も息切れが激しくて、とても人に見せられるような状態じゃなかったです。付いていけなくて「もう筋トレするかー!」みたいな(笑)。大変だったんですけど、every♥ing!で活動していたおかげで、アニメ作品で歌のお仕事があった時に役立てることが出来ています。every♥ing!がなかったら、全然ステージパフォーマンスが出来ていないと思います。

――それらを高校に通いながらこなしていったんですもんね。

木戸 大変でした!

――二人とも2016年に高校を卒業して、大きく環境が変化したと思います。

山崎 大学に進学したんですけど、も~大変です。お仕事と勉強の両立ということは変わっていないんですけど、自分の中で変えようと思っていることは多いんです。私は自分を出すのが苦手だったので、いま思ったこととかやりたいことを言っていかないといけないなと。私がちゃんとやりたいことを意思表示していかないと、周りもどうすればいいのかわからなくなってしまいますよね。そういった思考の変化もありました。

木戸 私は進学していないのでお仕事一本で、時間にも心にも余裕を持つことが出来ています。高校生のころは、「明日収録だからよろしくね、はい台本」って分厚い台本を渡されて、おいつかなくて学校のトイレでチェックをしていることもあったので(笑)。