ついに自前のコンセプトカーが登場!
そしてパナソニックは今年、自前のコンセプトカーもお披露目した。2025年の自動運転車のインテリアを予想したという「オートノマス・キャビン・コンセプト」だ。
このコンセプトカーでは、乗員がそれぞれ独自のタブレットで映画や音楽を楽しめる。それだけではなく、マジックリングと呼ばれるリングをタブレット上に置くと、そこがエアコンの温度やイルミネーションの色などを調節するダイヤルに変身。ドアトリムに張られた薄いウッドパネルの奥からも映像が浮き出てくる。
ロンドンにあるパナソニック・デザイン・センター・ヨーロッパでこの車両のコンセプト作りを担当したシニアデザイナー、山本悠平氏に会場で話を聞くことができた。「今後のクルマは自動運転とコネクテッドが一般的になり、車内でどう過ごすかが大切になっていくと考えたとき、家電の経験をいかせるのではないかと考え、それらを1台にまとめることにしました」。これが山本氏がオートノマス・キャビン・コンセプトに落としこんだ考え方だ。
確かに運転という仕事から解放されたとき、乗員が車内で何をして過ごすかは大事になってくる。こうしたテーマに対して、さまざまな製品で快適な暮らしを提供してきた家電メーカーのノウハウは、役立つような気がした。
家電メーカーがクルマ作りの主役に?
それとともに、自動運転車やコネクテッドカーでは、これまでサプライヤーの立場にあった家電メーカーが主役の一角を占めるチャンスであることも想定して、コンセプトカーを展示したという見方もできる。
今回のCESではBMWとインテル、モービルアイの提携が発表されるなど、自動運転車やコネクテッドカーの普及を前に、再び業界が動きつつある。日本はこの荒波に乗り遅れるのではないかと危惧する声もある。
そんな中でパナソニックは、クルマを含めたモビリティ全体への進出を、着実に進めつつある。グーグルやアップルに並ぶキープレーヤーになるか、注目に値する存在であることは間違いない。