学校教育のICT化もプログラミング教育の必修化もある問題をはらんでいる。それは、都市部と地方での普及に差が出てしまうということ。ある地方自治体の教育委員会の方とお話しさせていただく機会があったが、「ICTを活用した授業にしてもプログラミング教育にしても、これらに精通した企業や人物の協力が物理的に得られにくい」と心境を明かした。
そもそも教育のICT化は都市部でも地方でも、同等の教育水準とするのが目的のひとつ。長期的にみれば達成できるだろうが、文科省が目指す2020年までの短期間には、都市と地方の教育に格差が生じかねない。
そして間の悪いことに2021年には大学入試改革が行われ、現在のセンター試験を廃止、“思考力”“判断力”“表現力”が問われる試験内容になるという。これは現在の中学校2年生以下に適用されるので、都市と地方の小学校で教育格差があると、大学入試試験で不利になりかねない。
こうした問題に対しヤマハ 上席執行役員 飯塚朗氏に聞いてみたところ、「弊社は全国にヤマハ音楽教室を展開しています。そこのスタッフを派遣し、地方の小学校でもアドバイスできる体制を考えています」と語った。
さて、スクラッチを使った授業もレゴ WeDo2.0を使った授業も見学させていただいたことがあるが、どちらも生徒の歓声に満ちていた。ヤマハが誇るあの“歌姫”も、生徒たちの目を輝かせるにちがいない。