パナソニックがレッツノートの2017年春モデルをリリースした。昨年にレッツノート20周年記念モデルをリリースしたのは記憶に新しいが、Windows 95の登場が文字どおり1995年。その頃にパソコン製品を投入すれば、20年が過ぎようというものだ。
ただし、ここまで長くPCブランドを維持することは並大抵のことではない。OSや部材を他企業から調達しなくてはならないPCは、大幅な利益を出しにくい構造にある。PC市場に進出したはいいが、撤退したナショナルメーカーもあるくらいだ。ライバル企業も多く、この市場で生き残っていくのは大変だが、レッツノートは13型液晶以下のモバイルノートで“一人勝ち”といわれるほどにもなった。
レッツノートの発表会に話を戻そう。筆者はほかに取材があり、今回発表された製品の中のフラッグシップモデル「CF-XZ6」をごく短時間、触らせていただいただけだ。だが、その感想はズバリ「ブレないな~」というものだった。
触らせていただいたCF-XZ6は、タブレットしてもノートPCとしても使える“デタッチャブル”(着脱式)といかにも今様だったし、記憶に残るレッツノートは“光ドライブ搭載でも軽量”というのにこだわっていたが、当然、デタッチャブルモデルでは廃止されかなり薄型化していた(CF-SZ、CF-LXシリーズには光ドライブ搭載モデルがある)。
軽さと長時間駆動がレッツノートの使命
それでも“ブレていない”と感じたのは、やはりその軽さにある。説明員の方によるとタブレット部で約0.59kg、キーボード部を接続しても約1.019kgだという。さらに、JEITA2.0測定法で約9時間、大容量バッテリなら約15時間駆動すると聞いた。軽くて長時間駆動、これはレッツノートが長年テーマにしてきたことだ。
そして、思わずニヤついてしまったのがそのデザイン。昔のマシンほどではないが、ディスプレイの裏側はほんのりと「ボンネット構造」が残る。これは、天板に凹凸を作ることで耐久性を高めるデザインだ。前出の説明員によると、「76cmの高さからの落下試験」「天板への100kgf加圧試験」に耐える設計だという。
ここでまたニヤついた。76cmは机の上から落下した場合を想定しての試験、100kgf加圧は満員電車で圧力を受けた場合を想定しての試験だ。これは、レッツノートがかなり古くから実施しているテストで、今でも続けているのかと驚いた。76cm、100kgfという数値にも昔と変わりがない
横キーピッチに比べ縦キーピッチが狭いという、賛否が分かれるキーボードをいまだに採用している点も昔のままだった。