最新CPU「第7世代Core」登場、PCはさらに薄く軽く

スマホやタブレットの普及により低迷が続くPC市場だが、今後の変化を見込んで新規参入するメーカーも現れた。基地局などインフラ事業で定評のある中国ファーウェイは、端末事業を拡大しており、2016年には初めてのWindows PC製品を発表。スマホで培ったノウハウを生かした「MateBook」を日本でも発売した。

ファーウェイは「MateBook」でPC市場に新規参入した

PCを構成する個々の部品の進化も続いている。CPUとしてはインテルの最新「第7世代Coreプロセッサー」が登場。省電力性能が向上し、4K動画を容易に扱えるなどの性能向上を果たし、2017年1月に米ラスベガスで開催された見本市「CES 2017」には採用PCが多数並んだ。

PCの消費電力が下がることは、電気代が安くなるだけではない。PCの体積のうち大部分を占めるバッテリーや冷却用の部品を減らすことで、PCはさらに薄型軽量になる。さらに、うるさい冷却ファンを搭載しない「ファンレス」PCなら、静かなカフェや図書館でもPCを使いやすい。ワークスタイル変革にとっても不可欠な要素技術といえる。

デルの最新「XPS 13 2-in-1」はファンレス構造を採用した

USB Type-C搭載機が急増、どこでも充電可能な世界に

あらゆる場所でPCを活用する上で、問題になるのが電源だ。最近では電源付きのカフェや図書館も増えてきたが、まだ十分とはいえない。スマホやタブレットのように手軽に充電できないことは、PCの大きな弱点でもあった。

そこで注目したいインターフェイスが「USB Type-C」だ。最近のノートPCでは、この新しいUSB規格を採用する製品が増えている。

新型MacBook ProはインターフェイスをUSB Type-Cの上位規格(Thunderbolt 3)に統一

USB Type-Cでは、急速充電規格として「USB Power Delivery」(USB PD)が標準化された。これに対応した製品なら、端子形状やメーカーの違いを超えてノートPCの電源アダプターを使い回せるようになる。

カフェや図書館、列車や飛行機などに広くUSB Type-Cが導入されれば、電源アダプターを持ち歩く必要がなくなるかもしれない。そんな世界が実現するまでにはまだ少し時間がかかりそうだが、CES 2017ではレノボやデル、HPなど多くのPCメーカーがUSB PDを採用し、方向性は定まった。あらゆる場所でPCを使えるようになる時代に向けて、確実に一歩を踏み出したといえる。