固定費の無駄な出費を洗い出す
大まかでもお金の流れが把握できると、お金の使い方を意識するようになります。例えば、浪費の癖が改善したり、「より多く貯蓄するには? 」と考えるようになったり。ただ、日々使うお金の節約をするのは、なかなか大変です。そこで、固定費に無駄な支出がないか確認してみましょう。
住宅関連費や保険料、通信費といった固定費は、家計に占める割合が大きく、無駄を見つけて省けば節約にとても効果的です。変動費では、食費を削ったり欲しい洋服を買うのを我慢したりと、苦しい節約は継続が難しいものですが、固定費の場合は一度見直せば節約効果がずっと続きます。一度時間を作って、固定費の無駄を洗い出してみましょう。それだけで、今年は貯蓄分がグンと増える可能性もあります。
自然に貯まる仕組みづくりを
お金の流れをつかみ、無駄な出費を見直したら、次は自然に貯まる仕組みを作りましょう。節約を頑張ってお金を貯めようとしても、結局は急な出費で使ってしまい、いつも貯蓄ができない……といった経験はないでしょうか。お給料が振り込まれたら、貯蓄分はあらかじめ天引きさせる仕組みを作りましょう。これを先延ばしにすると、いつまでもお金は貯まらないので、まずは無理のない金額で早めに始めてしまうのが得策です。
先取り貯蓄には、会社の「財形貯蓄制度」や銀行の「自動積立定期預金」などを利用するのがおすすめです。この方法なら、生活費を使う前に強制的に貯蓄ができますので、あれこれやりくりをして貯蓄分を余らせる必要がなく、ストレスもたまりにくいでしょう。
先取り貯蓄の習慣が既にある人は、一歩進み、特別支出に備えるための貯蓄について考えてみましょう。特別支出とは、帰省や冠婚葬祭、家具や家電の買い替え、固定資産税など、イレギュラーな出費のこと。貯蓄を切り崩したり、生活費に手を付けて苦しくなったりしないよう、別途用意しておきたいところです。特別支出は、毎月少しずつ積み立てる、ボーナスから一定額を取り分けるなどして、貯蓄分や生活費の口座とは別にしておきましょう。
貯蓄を成功させるためには、無理なく継続できる方法を確立すること。そのためには、固定費の見直し、先取り貯蓄はとても重要です。また、家計簿アプリはスマートフォンやタブレットからいつでもチェックできるので、習慣化すれば楽しみながら活用できるでしょう。今年は貯蓄がうまくいき、2017年の年末には、笑顔でいられる一年となりますように。
筆者プロフィール:武藤貴子
ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。