実績十分で満を持してブレイクへ

成田凌

7人目は、ワイルドで色気あるルックスが魅力の成田凌(23)。2013年に『MEN'S NON-NO』モデルとして芸能活動をスタート。2014年には『FLASHBACK』(フジテレビNEXT)に高梨臨とのダブル主演で俳優デビューを飾った。昨年はめざましい飛躍。『ふれなばおちん』(NHK BSプレミアム)で、ヒロインの主婦(長谷川京子)と禁断の恋に落ちる劇団員を演じたほか、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)のサラリーマン役では、最終回で同性愛者であることをカミングアウトしてアッと言わせた。さらに、映画『君の名は。』に勅使河原克彦役で出演するなど、年月を追うごとに知名度が上昇。今年も1月から『大貧乏』(フジテレビ系)、映画『キセキ -あの日のソビト-』に出演する。

桜田通

8人目は、主演俳優の座に一歩ずつ近づいている桜田通(25)。すでにデビュー11年であり、その間地道に出演作品を増やし続けてきた。昨年も『こえ恋』(テレビ東京系)、『HOPE~期待ゼロの新入社員~』(フジテレビ系)などのドラマ6作に出演。さらに、映画『僕のサボテン』で主演を飾り、今年も1月から『嫌われる勇気』(フジテレビ系)で刑事役を演じるほか、『クズの本懐』(FOD、フジテレビ系)で吉本実憂とダブル主演、さらに映画『君の膵臓を食べたい』にも出演する。かつて、舞台『テニスの王子様』で主人公の越前リョーマを演じるなど華のあるタイプながら、一歩ずつ階段を上がっている好青年だ。

松田凌

9人目は、約50本もの舞台出演経験を持つ松田凌(25)。毎年多数の舞台に出演しつつ、2013年には『仮面ライダー鎧武/ガイム』(テレビ朝日系)に出演、2015年には『Messiah メサイア -影青ノ章-』(TOKYO MX2)で連ドラ初主演を務めた。昨年も映画『ライチ☆光クラブ』、『ニーチェ先生』(日本テレビ系)に出演。今年は、1月にドラマ化、5月に舞台化される『男水』(日本テレビ系)で主人公の高校生スイマーを演じる。舞台中心の活動から、徐々に映像の仕事を増やしているのは明らかで、殺陣などのアクションや表現力に定評があるだけに、業界の注目度は高い。

悪役をこなすNHKの申し子

玉置玲央

最後の10人目は、NHKへの出演作が増えている玉置玲央(31)。劇団『柿喰う客』の看板俳優であり、多くの舞台に出演している。さらに、舞台俳優を支援すべくワークショップを開催する演出家としての顔も持っていたが、近年はドラマ出演も増加。特に『足尾から来た女』『花子とアン』『美女と男子』などNHK作品への出演が続いている。昨年も『真田丸』(NHK)で真田家を苦しめる織田信忠を演じたほか、『コピーフェイス~消された私~』(NHK)では最大の敵役として出演。底知れぬ怖さを感じさせる悪役俳優としての資質を示した。もともとバック転を軽々とこなすなど驚異的な身体能力を持ち、力強く伸びやかな発声に定評がある実力派。今後は民放各局からのオファーも間違いなく増えるだろう。

ここで挙げた男優たちは、「ただのイケメン」ではない。ルックスのよさにあぐらをかかず、スタッフや共演者たちと向き合い、自分の演技を追求するプロフェッショナルだ。10人は年齢もルックスもバラバラだが、この中から朝ドラヒロインの相手役に選ばれることだって夢ではない。彼らが切磋琢磨しながら成長する姿を追いかけてみてはいかがだろうか。

■木村隆志
コラムニスト、芸能・テレビ解説者、タレントインタビュアー。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超える重度のウォッチャーであり、雑誌やウェブに月間20本超のコラムを執筆するほか、業界通として各メディアに出演&情報提供。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、著書に『トップ・インタビュアーの聴き技84』など。