TeleBeautyで実現する働き方改革

ITで日常生活が変わるという観点では、日本マイクロソフトが開発協力した資生堂のテレワークアプリケーション「TeleBeauty」も興味深い。例えば、在宅勤務時に社内の会議に参加する際はWebカメラの前に立つが、女性の場合は室内の片付けや簡単な化粧など手間がかかる場面が多いという。そこで、Webカメラの映像に自然な化粧を再現するのが同アプリケーションである。

資生堂が持つ知見を生かして開発した「TeleBeauty」

TeleBeautyは、Webカメラから取得した映像をリアルタイムで加工し、その結果をSkype for BusinessのAPI経由で配信する仕組みだ。このような取り組みはグローバルでも少なく、日本マイクロソフト 執行役員常務 織田浩義氏も「本社の担当者から『Cool!』と絶賛された」と述べている。ちょっとしたアイディアとIT技術で我々の生活が大きく変化する好例だ。

2017年の目玉はARM版Windows 10

最後に2017年の展開を想像してみよう。「Surface Studio」が日本国内でいつ発売されるかも気になるところだが、やはり、ARM版Windows 10のインパクトが大きい。筆者は、ARM版Windows 10がモバイルデバイスのあり方を変えると見込んでいる。

ハイエンドなSnapdragonを搭載したスマートフォンでフルWindows 10が動作し、その上でWin32アプリケーションが動作すれば、UWPアプリケーション不足という問題は一挙に解決するはずだ (数インチの画面で使いやすいかという問題は依然残るが)。

新Surface Bookに続いて日本投入が待たれる「Surface Studio」

ARM版Windows 10を発表するMicrosoft EVP Windows and Devices GroupのTerry Myerson氏

この他にも安価なヘッドマウントディスプレイやWindows Holographicプラットフォームなど、2017年もMicrosoftは多くの仕掛けを用意している。今年はこの辺りで筆を置くが、来年もまた忙しい一年となりそうな予感がする。

阿久津良和(Cactus)