実際の性能が勝敗を分けた

ノートは全長約4メートル、幅は5ナンバー枠内に収まり、プリウスよりも確実にひとまわりコンパクトである。しかし室内の広さは同等だ。空力を重視したプリウスのスタイリングに対し、ノートは使い勝手を重視して一般的な2ボックススタイルを取っていることが大きい。デザインもノートのほうが万人受けするだろう。

カタログ燃費はプリウスが最高で1リッターあたり40.2キロメートル、ノートe-POWERが同37.2キロメートルとプリウスが上回るが、ノートe-POWERは中心車種でもっとも売れているXグレードでも200万円を切り、プリウスはベースグレードEでも240万円を超える。こうした実際の性能を比べてノートe-POWERを選んだ人が多いかもしれない。

2016年は販売台数で独走状態だった現行プリウス(左)。ノートに奪われた首位の座をプリウスPHV(右)は奪還できるか

ベストセラー常連組に日産ノートが仲間入り

こうした状況は従来からあった。日本自動車販売協会連合会のデータによれば、2011年末にアクアが登場すると、翌年以降プリウスに代わってベストセラーの座に就くことが多くなり、2013年9月にフィットが現行型にモデルチェンジしたあとは、フィットが王座となった。その後もプリウスが現行型に切り替わる昨年12月までは、両車が首位を分け合ってきた。

つまりプリウス、アクア、フィットがモデルチェンジのたびに入れ替わるようにトップになるという状況が、この5年間続いてきた。そこに2016年11月、ノートが新たに仲間入りしたのである。

では2017年、プリウスにPHVが追加されると、プリウスがベストセラーの座を奪回するだろうか。これまで見てきたように、日本の自動車市場は新車効果が確実に効く。PHV導入直後は、再び頂点の座に返り咲くかもしれない。でもその新車効果が長続きしないのも、熱しやすく冷めやすい日本の特徴だ。