まず、センサーを搭載していないこと。Classicシリーズも今秋モデルチェンジが図られているのだが、新たにWi-Fiを搭載し、遠隔操作や空気のモニタリングなどスマートフォンと連携した機能が利用できるようになった。Blueでは、こうした機能が省略されている。

きょう体部分の素材がほとんど鋼板であるClassicシリーズに対して、Blueは上半分に樹脂素材を用いているのも大きな違いだ。これにより、両シリーズの差別化とコストダウンを図っているのだろう。見た目にもカジュアルな印象になっているのも、素材の違いがひとつの要因とみえる。

Blueを1カ月使用して感じたことだが、センサーはやはり、あるに越したことはない機能だ。掃除中などホコリが立った時や、強い臭気が発生した時に、センサーが感知して自動で風量を制御してくれるのはやはり便利。

しかし、その機能がなければ各段に不便かと言うと、それほどでもないというのが率直な感想である。ユーザー自身が気が付いたときに操作ボタンで風量を変えればいいだけで、たとえそれを忘れたからと言って、劇的に空気の状況が悪化するかというとそうでもない。つまり、センサーは付いているほうがベターだが、マストではない機能ということだ。

筆者の場合、通常は風量を一番下の「1」にしておいて、朝一番・入室直後の数分間や、掃除機をかけている間だけ最大の「3」に変えるという使い方をしていた。この使い方で1カ月たったフィルターをチェックしてみたが、軽く見ただけでも明らかに色が変わっている。フィルターの目を凝視すると、折り目の間にはしっかりとホコリなどが吸着していた。

使用前のフィルター(外側)

使用前のフィルター(内側)

1カ月使用後のフィルター。取り出してパッと見ただけでも色が黒っぽくなっているのがよくわかる

1カ月使用後のフィルター(外側)のアップ。折り目の間に目に見えてホコリのようなものが付着している

1カ月使用後のフィルター(内側)。外側同様、明らかに黒くなっており汚れているのがわかる

そのほか、予想以上によかったのは、お手入れのしやすさ。というのも、空気が常に上に向けて放出されるため、本体の天面にホコリが溜まりにくいのだ。もちろん長く使えば、排気口の穴から本体内部にもホコリなどが少しずつ入り込んで溜まってしまう可能性はあるが、一番下まで受け落ちたゴミはフィルターを外して掃除機で吸い込めばよい。箱型で内側には何もない極めてシンプルな構造なのでお手入れは実に簡単だ。

手入れが必要だと感じたのはフィルターを外した底の部分。ホコリやゴミが結構溜まっていたが、掃除機で吸い取ればいいだけなので大した手間ではない

空気を360度全方位から吸引するため、壁から約10センチは離すことが推奨されている。ゆえに壁ギリギリに設置したい場合には向かない

フィルターに関しては、ブルーエアの他のラインナップ同様、6カ月ごとの交換式。もちろんランニングコストはかかるが、使い捨てなのでそのぶんフィルター自体を手入れする手間は省くことができ、性能も維持できる。

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1カ月間使ってみて実感したのは、空気清浄能力では業界屈指といえるブルーエア製品を試すのにうってつけのモデルだということだ。フラッグシップであるClassicシリーズを購入するのをとまどわれる人や、多機能でなくとも確実な空気清浄能力を求める人が、その効果を体感するのにちょうどいい。入門モデル的な製品と言えるだろう。