――てっきり体形キープに専念されているのかと。
痩せるために何かをするというのが苦手で。「○○のために」ではなくて、興味本位であれば大丈夫なんです。
――ゆみはアルバイトを通して、大切なことを実感します。モデル、女優をはじめて気づいた「大切なこと」は?
あいさつをすること。それから……打たれ強さとか、めげない心も大切だと思います(笑)。
――生まれ持ったものなのでは?
あ! そうかもしれません(笑)。
――事務所の後輩に「何かアドバイスを!」と求められるかもしれませんよ(笑)?
えー!? 言葉にしようとすると難しいですね。あいさつとか遅刻をしないとか、まずは「常識」を心掛けることが大切だと思います。
ファンとシンクロする距離感
――店長の教え「お客様とシンクロしなさい」を「ファン」に置き換えると、武田さんはシンクロしているところもあるのかなと。18万人のフォロワーはどのくらいから増えはじめたんですか?
『ヤングジャンプ』で表紙とグラビアをやらせていただいてから、増えていきました。インスタがきっかけで写真を好きになったのですが、ファンの方々からの普段聞くことはできないコメントも読むことができるのでとてもうれしいです。ファンの方が私の私服を真似して買ってくださったことがあって、それはすごくうれしかったです。
――握手会でファンと交流する機会も増えていますね。
会って泣いちゃう女の子とかいて、キュンとしました。自分がそんな存在になることができるなんて……。
――最初のファンレターは?
覚えています。最初に受け取ったファンレターは4通ぐらいでした。グランプリ受賞後にいただいて。名古屋の女の子がワニさんの便箋に入れてくれて送ってくれたんですけど、そこには「ワニさんの便箋を覚えてね」と書かれていました。それ以来、定期的に送ってくださるのでしっかりと覚えています(笑)。
"君がいたから"たどりついた職業観
――「働くことの意味がわかった」「お金は何かの犠牲じゃない」というゆみのセリフ。武田さんはどう思われますか。
今の私は「自分の好きなこと」で働くことができています。すごく楽しいですし、勉強にも。私のお仕事によって、ファンの方々に何かしらの影響を与えることができたらなと思います。
――どのような仕事で?
一番やりたいのは演技のお仕事です。
――舞台『四谷怪談』(15年5月上演)を経験して演技の魅力を知ったと聞きました。プレッシャーのかかる空間でいかに魅力を知ることができたのでしょうか。
私は恵まれていたんだと思います。共演者の方々やスタッフさんもみなさんとても優しい方ばかりで、みなさんにかわいがっていただけました。何よりもそれが楽しくて。その頃までは、演技の魅力をはっきりとは理解できていなかったように思います。
――舞台のカーテンコールは格別でしょうね。
そうですね! お客さんで泣いている方もいてこちらも感動しました。
――「ありがとう、君がいたからここにいる」という台詞があったのですが、武田さんにとって人生でその言葉を送りたい人は?
そうですね、誰だろう……両親は私にとってとても大きな存在です。お父さんはいつも協力してくれて、どんなことでも私の味方になってくれる。上京して引越しする時も、いっぱい手伝ってくれました。
――「ありがとう、お父さんお母さん」という気持ちだと。そう書いて大丈夫ですか。
はい。大丈夫です(笑)。ありがとうございます。
■プロフィール
武田玲奈(たけだ・れな)
1997年7月27日生まれ。福島県出身。B型。「第2のくみっきー!発掘オーディション」でグランプリを受賞し、雑誌『Popteen』レギュラーモデルとして芸能活動をスタート。2015年3月公開の映画『暗殺教室』で女優デビューを果たした。同年2月に発売された『週刊ヤングジャンプ』では初登場でカバーガールに抜てきされ話題に。2016年4月から、『non-no』専属モデルを務めている。