――ハロプロの場合、基本的にダンスもついてきますからね

能登「私自身、ただ100曲を何となく歌うと飽きてしまうんですよ。なので、自分も楽しむために、振りがついているほうが良かったりもしますね。歌うだけだと30分くらいで飽きちゃう(笑)」

――実際に2ステージをやってみての感想は?

能登「ライブが終わった後は、生まれたての子鹿みたいでした。人って、こんなに足がぷるぷるするもんなんだなって。でも、好きな曲を歌って、踊って、汗をかけたのがすごく気持ちよくて、終わった後はずっとヘラヘラと笑っていました(笑)」

――そして3年目の100曲ライブはふたたびアニソンになります

能登「3回目のときは、すでにStylipSとしての活動が始まっていて、"アニソン”が単なる趣味の領域から、お仕事に変わっていた時代で、どこか他人事だったものが、自分の中の大きなものになっていました。なので、歌う楽曲も、自分が好きなものというよりは、そのときの最新の楽曲を入れたりしましたね。あと、振り付けの仕事もやっていたので、自分が振りを付けた他人の曲を、自分がステージで踊れるという喜びもあったりしました」

――言うなれば、振り付けのセルフカバーですね

能登「そんな感じです(笑)。そういう意味でも新鮮な気持ちで挑めました。自分が考えた振りでも、やはり人によって個性が出ますから、自分だったらこう踊るのに、みたいなものを見せられたのも嬉しかったです」

――3回目となるとかなり気持ち的にも余裕があったのでは?

能登「100曲というと大変そうですけど、個人的には他の方がやっている3時間くらいのライブと同じような感覚です。実際に3時間に収まるくらいでやっていますし。もちろん、それでも決して余裕というわけではないですけどね(笑)」

――3年連続でやったあとはしばらく100曲ライブはおやすみですね

能登「特に大きな理由があったわけではなく、2013年は、自分の活動よりもStylipSの活動を優先させた感じですね。逆に2014年は、"能登有沙の楽曲全部やります"っていうバースデーライブをやりました」

――来年くらいは、能登有沙楽曲での100曲ライブもできそうですね

能登「できたらいいですね(笑)」

――そして2015年に満を持しての100曲ライブ

能登「『今年のバースデーは何やる?』って相談されて、StylipSの活動も一段落していた時期だったので、『考えときます』って言っていたら、一週間後には野口さんから『能登は100曲だ』って言われて(笑)。ただ、2年くらいのブランクがあったので、大丈夫かなって」

――「能登は100曲だ」というのもすごいですね

能登「なぜかそうなっちゃうんですよね……。200とか1000とか言い出さないだけ良かったです(笑)」

――久しぶりの100曲ライブはいかがでしたか?

能登「100曲ライブもやりたかったのですが、もう少しファンの方に"ありがとう"の気持ちを伝える場にしたかったので、去年は100曲ライブのほかに、手作りのクリスマスケーキを振る舞ったり、能登の子役時代の映像を見せたり、そういったイベントもやりました。去年くらいから、ただ真面目にやるだけじゃなく、もっと遊び心があってもいいんじゃないかって思うようになってきたんですよね。ただ、そのイベントのあとが100曲ライブだったので、もう気が気じゃなくて(笑)。実際にやってみたら、思いの外、マイクが重かったです」

――マイクが重い?

能登「StylipSの活動を経て、筋肉がついて、腕の振り幅がすごく大きくなった分、遠心力的なものが強くなったのか、腕にかかる負担がこれまでよりも大きくて、マイクがどんどん重くなっていくんですよ」

――筋力がついた以上にアクションが大きくなっていたんですね

能登「そうなんだと思います。しかも、去年は最後のほうにStylipSメドレーを入れたんですけど、基本、StylipSは左手マイクで、右手を動かす振りなんですよ。ほかの曲なら、マイクを持ち替えたりできるんですけど、ずっと左手で持たないといけないので、なおさらに疲れちゃって(笑)」

――ヘッドセットにしたほうがよかったですね

能登「ヘッドセットにしたら、もっと激しく踊らなくちゃいけなくなるじゃないですか(笑)。本当に最後のほうは、手をグーパーグーパーしたり、腕を振ったりしながら、何とか力が入るようにって……。そういう意味で、去年は不安が大きかったです」

――やはり久しぶりだったというところでしょうか

能登「事務所とかユニットとか、自分が引っ張っていかなければ、という気持ちが強かった分、背負うものも大きくなっていたのかもしれません。ただ、終わった後の満足感もこれまで以上に大きかったです。アニソン100曲とはいえ、自分が関わっている歌の比率が増えているという喜び、そして、自分の曲で、自分の振り付けで、自分が消耗していくという、ちょっと面白い構図にヘラヘラしながら(笑)」

――自業自得ですね(笑)

能登「何でこんな振りをつけちゃったんだろうって(笑)。去年は(伊藤)美来や(豊田)萌絵が、楽屋でアイシングとかしてくれました」