■ステップ3.確定拠出年金
貯めたお金は、老後まで使わないなら、確定拠出年金がおすすめ。原則として60歳までは引き出すことができませんが、積み立てた金額が毎年の所得税で控除の対象になり、税金が安くなるのがメリットです。積み立てるお金は定期預金だけでなく、積み立て型の保険や投資信託といった複数の商品から選んで運用する仕組みなので、選び方によって将来に受け取る金額が変わります。積み立てたお金よりも価値が下がるリスクもありますが、逆に増えることも期待できますよ。
会社に「企業型」という確定拠出年金が導入されている場合には、退職金として会社がお金を出して積み立てられていることが多いです。また「個人型」といって、自分で積み立てられる制度も。2017年1月からは、会社に「企業型」がある人も「個人型」に加入できるようになるので、退職金の上乗せとして貯めることができます。
■ステップ4.ネット定期
ボーナスが入ったら、少しでも金利の高い預金で貯めておきましょう。ネット銀行の定期預金は、大手銀行より比較的利率が高いのが魅力です(2016年11月現在、1年満期の定期預金金利は大手銀行で0.01%、ネット銀行は0.01~0.3%)。いまはどこの金融機関も金利水準が低いので、満期は3カ月、1年など短めのものを選んで、今後に高い水準の定期預金が出てきたら預け替えるなどで、少しでも増やしましょう。
一人暮らしは、実家暮らしよりもお金は貯めにくいもの。1,000万円は遠い道のりに感じられますが、まずは継続的に貯蓄できる家計の仕組みを作るところから始めてはいかがでしょうか?
筆者プロフィール:加藤梨里
ファイナンシャルプランナー(CFP)、慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科 特任助教
保険会社、信託銀行を経て、ファイナンシャルプランナー会社にてマネーのご相談、セミナー講師などを経験。2014年に独立し「マネーステップオフィス」を設立。専門は保険、ライフプラン、節約、資産運用など。大学では健康増進について研究活動を行っており、認知症予防、介護予防の観点からのライフプランの考え方、健康管理を兼ねた家計管理、健康経営に関わるコンサルティングも行う。