東武鉄道が日光で傘下のホテルを増やしている。8月には地元の老舗ホテルを買収。そしてこのほど外資系高級ホテルを誕生させると発表した。日光地区の観光業を強化した先にどんな構想を描いているのだろうか。

ザ・リッツ・カールトンが2020年夏、日光に

東武鉄道は、ホテル世界大手の米マリオット・インターナショナルと正式契約し、2020年夏に、栃木県日光市にマリオット・インターナショナルの最高級ブランド「ザ・リッツ・カールトン」を開業させる。「ザ・リッツ・カールトン日光」は日本国内では、大阪、東京、沖縄、京都、ニセコ(予定)に次ぐ出店となる。

中禅寺湖や男体山の美しい風景を堪能できるように設計。「建物外観イメージパース」提供:東武鉄道

客室総数は94室(予定)、全客室50平方メートル以上。露天風呂を併設した温泉大浴場やスパなど設備もつくられる。宿泊料は国内のほかのザ・リッツ・カールトンと同水準となる予定。

今回新しく建設されるのは、1894年に開業した「レーキサイドホテル(後にレークサイドホテル)」があった場所。2016年1月まで営業されていたこのホテルは、日光をおとずれる外国人のためのリゾートホテルとして約120年の歴史があった。

観光名所の近くにある。提供:東武鉄道

この場所は、日光国立公園、中禅寺湖の湖畔に位置する。中禅寺湖のほかに、男体山も拝むことができ、春は桜、秋は紅葉など日本の四季を感じることができるロケーションとなっている。近くには、世界文化遺産の日光東照宮、徒歩圏内には華厳の滝、少し足を伸ばせば鬼怒川温泉もある。

ロケーションの良さを生かし、建物内側と外側が連続するようなイメージの空間デザインにし、四季折々の自然の変化を享受できるようにするという。その1つとしては、すべての客室から中禅寺湖か男体山のどちらかの眺望が眺められるように設計するという。