レノボ・ジャパンは11月中旬、メディア関係者向けに、同社およびNEC製PCの修理拠点であるNECパーソナルコンピュータの群馬事業場を公開するプレスツアーを開催した。企業文化も製品構成も異なる2社の製品を、確実かつ短時間での修理を可能とする体制作りを紹介する。
レノボ製品の修理、大和と障害情報も共有
NECパーソナルコンピュータ(NECPC)はもともと、NECのコンシューマ向けPC開発・販売子会社として設立された企業だ。本社は秋葉原にあるが、事業場の中心は群馬事業場と山形県の米沢事業場、それに全国に25ある営業拠点からなっている。
米沢事業場はパソコンの商品企画・開発・製造を、群馬事業場は2002年より保守サービスサポート事業に特化して、及び周辺機器の故障診断や修理、リユースを担当している。
2011年にNECとのジョイントベンチャーが発足し、2014年にはレノボのタブレット製品を修理対象に追加。2016年7月からは全レノボ製品を対象に広げてきた。
レノボ製品にはコンシューマ向けに加え、企業向けに大量導入され、カスタマイズされた製品(レノボではコマーシャル製品と呼称)があり、コマーシャル製品についてもこの群馬事業場で修理している。
群馬事業場はレノボでThinkpad製品を製造している大和研究所とも密接に障害情報の共有を行なっており、修理中に気付いたことをフィードバックすることで、製品やサービスの品質向上にも貢献している。
修理量は従来比で約1.6倍に
それまでレノボは修理を外部に委託していたが、NECパーソナルコンピュータに移管することで装置の修理量は従来比約1.6倍、保守部品の扱い量も従来比約1.6倍となり、日本におけるパソコン修理の約30%(レノボとNECのシェア合計が約3割)が群馬事業場を中心に回っていることになるとする。群馬事業場ではサポート・サービスに必要な機能を全て備えており、あらゆる保守作業の「マザーファクトリー」となることを目指して日夜努力しているという。