食べ物を通じて癒しを与えるドラマ
――企画が立ち上がったとき、周囲の反応はいかがでしたか?
『深夜食堂』だけが持つ、固有の色を期待して応援してくれた人が多かったです。
――韓国では、どういう人たちに受け、どのように話題になっていきましたか?
食べ物に関するドラマやバラエティは最近ひとつのトレンドとしてありふれていますが、『深夜食堂』は、単純に食べ物を題材としたドラマではなく、食べ物を通じて癒しを与えるドラマだと思います。世知辛い現実の中でささくれだってしまった気持ちを、ほっとさせてくれる作品として愛されていきました。
――『深夜食堂』を含め、韓国にはない日本のドラマ特有の感覚はどんな部分でしょうか?
日本のドラマだけではなく、日本の映画から感じる固有の特色は韓国コンテンツに比べて静寂であることですね。韓国ドラマの色は強い色合いだと思うんですが、日本のドラマは淡い色合いだと思います。もちろんジャンルによって日本のドラマでも、強い色合いのものもありますが、特にドラマのジャンルにおいては息遣いが荒くなくて穏やかなものが多いと思います。
――淡い色合いということは、マクチャンドラマとは正反対であるということですかね。ある人から、韓国では、日本のドラマのように、淡々としていて、何もおこらないのにドラマが成立している作品はなかなかないとも聞きましたが、このドラマは、韓国では珍しいタイプの作品なのでしょうか?
もちろん韓国の大衆的なドラマスタイルではありませんでした。韓国でも、エピソードを1話ごとに終わらせるシットコム(シチュエーションコメディ)なども多くあり、1話で終わらせる形式になじみがないということはありません。それよりも、静寂で穏やかな雰囲気が珍しかったのだと思います。
――最近は、『ミセン-未生-』を原作とした『HOPE~期待ゼロの新入社員~』など、韓国のドラマのリメイク作品も見られますが、韓国でも日本の作品のリメイクは、『深夜食堂』のほかにもあるのでしょうか?
日本のリメイク作品に関して、現在SBSでは『最後から二番目の恋』を放送中ですし、過去には『その冬、風が吹く(愛なんていらねえよ、夏)』や『怪しい家政婦(家政婦のミタ)』などが放送されました。先に申し上げたとおり、日本のドラマと韓国のドラマでは性格が異なるので、100%その内容をそのままリメイクするよりは、どうやって現地化するのかが一番重要だと考えています。
『深夜食堂 from ソウル』
2016年11月2日 DVD-BOX発売
19,600円(本体)+税
発売元:カルチュア・パブリッシャーズ
セル販売元:アミューズソフト
DVD Vol.1~4 全国のTSUTAYAにて先行レンタル中
Vol.5~7<完> 11月2日よりレンタル開始
作品公式サイト:www.fromseoul.jp
原作/安倍夜郎「深夜食堂」(小学館刊)
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