iPhone 7やMoto Zなど、ヘッドホン端子非搭載のスマートフォンが続々発売されています。機動性が重視されるスマートフォンのこと、ケーブルが絡まる心配のない「ワイヤレスヘッドホン(イヤホン)」のほうが外出先で重宝されることは確か。今後、ヘッドホン端子非搭載のスマートフォンが増えれば、ワイヤレスヘッドホンの普及率も高まることでしょう。
そんなタイミングで発表されたオーディオテクニカの「ATH-DSR9BT」は、これまでのワイヤレスヘッドホンとは一線を画す構造や機能を採用しています。
特筆すべきは「apt-X HD」(アプトエックス エイチディー)です。Bluetoothの最新コーデック(オーディオ信号の圧縮方式)で、対応するスマートフォンやポータブルプレーヤーは現在のところ少数ですが、サンプリング周波数と量子化ビット数は最大48kHz/24bitと、従来のコーデック「SBC」や「AAC」(44.1kHz/16bit)を上回ります。特に、量子化ビット数が24bitということは2の8乗倍、すなわち16bitに比べて256倍もの細かさで音を表現できることになります。
オーディオ信号の伝送に利用する「A2DP」規格では、1秒あたりに送信できるデータ量に限りがあるため、音声信号を圧縮しなければなりませんが、そのコーデックは必須の「SBC」や、聞こえにくい高音域を間引くことで圧縮率を稼ぐ「AAC」を採用する製品が大半です。
ATH-DSR9BTは、効率よくデータを送信することで音質向上を図る「apt-X」、その上位版「apt-X HD」をサポートすることで、従来のBluetoothに対する先入観を払拭しうる音質を実現しています。
iPhone(iOS端末)は音質面で「SBC」より有利な「AAC」をサポートしているので、iPhoneとは「AAC」での接続となります。同様に、apt-X対応のAndroid端末とは「apt-X」で接続されるので、再生機器にとってのベストコンディションで再生できます。